春夏の行楽シーズンのマリンレジャー代表といえば『潮干狩り』。家族で採ったアサリを美味しく食べていると、『ジャリッ』となんとも気分の下がる食感が口の中を襲います。そう。砂抜きの失敗です。今回は回避法を解説します。
潮干狩りの魅力
家族で楽しめる初夏の行楽といえば「潮干狩り」。干潟の波打ち際でザクザクとアサリやハマグリなどの二枚貝を掘って探す楽しいイベントです。
そして、潮干狩りの楽しみといえば、堀ったアサリを使った美味しいご飯!酒蒸しやお味噌汁、パスタにいれても美味しい万能食材です。
しかし、そんな素晴らしい食材にも難点が…
食べていると一回は必ず訪れるといっても過言ではない『ジャリッ』という非常に不快な食感。
しっかり砂抜きしたはずなのになぜ…?
美味しいけどこの砂が苦手だという人も多いのではないでしょうか。掘って楽しい、食べて美味しいアサリの正しい砂の抜き方と、更に美味しくアサリを食べるための一工夫を解説していきます。
砂が入っている箇所
アサリの中に砂が潜んでいそうな場所は主に2つ。
・入水管と呼ばれる水を吸い込む器官
・アサリの身と貝殻の隙間
ここに砂が潜んでいる可能性があります。では、2つの要注意ポイントに対して、しっかりと塩抜きをしていきましょう。
入水管に砂が入る理由
まずなぜ、入水管の中に砂が入っているのか。
それはアサリに限らず、2枚貝の呼吸方法やエサの食べ方に原因があります。
アサリなどの2枚貝は入水管・出水管と呼ばれる器官(目を離すとベローンと出てくる部分)を使って呼吸や食事を行なっています。
入水管から水を吸い込み、必要な酸素や、エサとなるプランクトンなどの微生物を、エラや唇弁と呼ばれる器官で濾し取って出水管から排出しています。
その海水を吸い込む際、砂も一緒に吸入してしまうことがあります。通常は、砂などは粘膜などに包まれて体外に排出されますが、排出される前に調理されてしまうと、砂が体内に残ったままになってしまいます。
入水管の砂の抜き方
砂抜きに必要な道具は3つ。
・水
・塩
・バットなどの容器(網付きがおすすめ)
では、さっそく、砂抜きをしていきましょう。
1,あさりを容器に並べる
バットなどの容器にアサリをなるべく重ならないように並べます。この際、網付きのバットを使用すると、吐いた砂をアサリが再び吸うことがなくなるのでおすすめです。
2,塩水を作る
アサリが砂を吐き出しやすいように、海水くらいの濃さの塩水を作ります。3%(水500mlに対して塩大さじ1程度)くらいを目安にしましょう。
※潮干狩りの現地の海水を持ち帰ってきているのであれば、キッチンペーパーなどでろ過し、使用するのもOK!
3,アサリを塩水に漬ける
アサリが少し水面から出るくらいになるまで、塩水を入れます。この際、海水を入れすぎてしまうと、アサリは呼吸ができなくなってしまうので注意が必要です。
動きのない水には酸素が十分に溶け込みにくく、窒息死してしまうかもしれません。
水を少なめにし、空気中に、少し露出させることで、貝が開いたり閉じたりするときに水が動き、酸素が溶け込むので窒息しなくなるのです。
4,冷暗所に置く
アサリは夜行性なので、暗いほうが活発に砂を吐き出してくれます。新聞紙などを容器にかぶせて薄暗くし、静かに3時間~4時間くらいおきます。
冷蔵庫で保管すると、冬眠状態に入ってしまい、あまり砂を吐かなくなる可能性があます。
また、夏場は水温が25℃を超えてしまうと、死んでしまいます。適温15℃〜20℃で管理してあげましょう。
身と貝殻の隙間に砂が入る理由
なぜ砂が身と貝殻の隙間に溜まっているのか。これはアサリが砂の中で生活をしているからです。
海底から3cm程度潜ったあたりで生活しているアサリには、開いたり閉じたりすると、どうしても貝殻の内側に砂が入ってしまいます。
それが、身の隙間に挟まってしまい、最終的に人間の口にまで運ばれてしまうのです。
対処法
この砂抜きは、①の砂抜きに時間をかけても取り除くことができません。
一度調理をし、身を貝殻から外し、さっと流水で洗い流すことで、身の表面や、隙間に入った砂を取り除くことができます。
あまり、強く洗ってしまうと、身が壊れてボロボロになってしまうので、流水で素早く洗うのがミソです。
『塩抜き』の方法
ここまで、アサリの砂抜きについて解説してきましたが、美味しく食べるコツはもう一つあります。
それは【塩抜き】。
海水などの塩水に浸していたものをそのまま調理してしまうと、体内に残っていた塩分のせいで、身が塩辛くなってしまいます。
塩抜きが終わったアサリをそのまま1時間程度、水から出して保管します。するとアサリは、体内の海水を吐き出してくれます。
これで、塩抜きも完了です。
ここまでの作業を終えることで、ようやくアサリを最高の味で美味しく食べることができるようになるのです。