各地で人気のサワラキャスティングゲーム。ベイトを追って水面を飛び交う大迫力のボイルとスリリングなファイトはアングラーを魅了してやまない。今回、国内屈指のサワラフィールドのひとつ、伊勢湾を例としたサワキャスについて解説するとともに、状況ごとにロッドを使い分けていく戦術と、来年発売されるお勧めのロッドについて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
24年秋の伊勢湾のサワラ釣り
今年の伊勢湾奥のサワラは、昨年と比べてかなり好調と言える。ベイトとなるカタクチイワシやトウゴロイワシが大量に入り、サワラだけでなく青物も数が多く、日ムラはあるものの良い日に当たるとタモですくう作業が追いつかない状況もあった。
ミノーとブレードジグ
ルアーは主に2種類を用意したい。遠投の効くヘビーウエイトのシンキングミノーで、9cmクラスのものと、12cmクラスのスリーフック仕様。後述するが、サワラが捕食しているベイトによって使い分ける。
そして、ブレードジグ。30~40gをメインに20~60gまで準備しておきたい。重いものは風が強くて船の流れるスピードが速いときに使用する。また軽いものは、サワラがシラスなどに着いている時に有効だ。
キャスティングサワラゲームのロッド
ボイルまで届く飛距離、プラグのテクニカルなジャークやトゥイッチングなど、ファイトだけでなく操作面でもロッドの能力が問われる。使用するのは、7ft前後のロッドがお勧めだが、釣り座やその日の状況によって使い分けるのが理想だ。
先鋭化された『プロトンBC』の新ロッド
そこで、今回ピックアップしたいのがオリムピックのプロトンBCサワラゲームシリーズ。今回は、来年発売予定の新しい2機種の紹介を交えながら、使い分けについて解説したい。
7ft4inのモデル
まず紹介したいのが、25GPTNS-742ML-BC SAWARA GAME。このロッドは、伊勢湾のサワラキャスティングのエキスパートで、東海地区に根差した釣り具量販店フィッシング遊 本店勤務の堀さんが監修したロッド。
主にヘビーシンキングミノーのジャーキングやトゥイッチを多用するシーンを念頭においており、柔軟なティップでミノーを暴れさせずにアクションさせることができる。キャストウエイトはMAX45g。
※下の画像のうち、中央が742MLのプロトモデル。
オールマイティな設定の7ftの既存モデル24GPTNS-702M-BC-SAWARA GAMEよりも、全体的に軟らかく、サワラ独特の水面まで来てからの突っ込みにも対応しやすくなっている。ミノーを念頭にと書いたが、もちろんブレードジグの使用も可能で30g前後のものがベストマッチする。
6ft3inのモデル
そして、もう一つがショートモデルの25GPTNS-632ML-BC-SAWARA GAME。小型プレジャーボートでの使用を想定したロッドで、伊勢湾のほか各地のベイエリアのゲームで十分活躍できるポテンシャルを秘めている。
なお、ボートに限らず乗合船だと必ずしもキャストしやすいミヨシに入れるとは限らない。このロッドは、そうした状況で活躍するモデルで、胴の間やトモの釣り座になった場合、その短いレングスを生かしたアンダーキャストがしやすい仕様になっている。
また、このロッドはブレードジギングにもよく対応しており、脇挟みできるようにグリップエンドはやや長め。30~40g前後のブレードジグを使用するときに活躍する。
なお、キャストウエイトはMAX40gと、742MLに比べてライトな数値になっているが、パワー自体は632MLのほうが上。5kgクラスのサワラでも深場からしっかりリフトできるバットパワーを備える。
なお、742MLと632MLの2モデルとも様々な握り方でのロッド操作を考慮して設計された同社オリジナルのグリップOP-02を採用。
これにより、テクニカルなロッドアクションがやりやすく、手の疲れも生じにくいので、不意に起こるここ一番のチャンスで、正確なキャストをこなすことができるだろう。
さて、以上が新たに加わる2モデルなのだが、その使い分け方は、単に釣り座や投げるルアーだけで決まるわけではない。以下、実釣においての効果的な選択術を紹介していく。