寒さが厳しい冬、アウトドアで活動する際の防寒インナーは欠かせないアイテムです。特に高機能インナーは、真冬の夜釣りなど厳しい環境でも快適に過ごすために重宝します。今回は、1万円以内で手に入るおすすめの防寒インナーをピックアップ。万全の体制で冬のアクティビティを楽しみましょう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・渡辺)
真冬のアウトドアにはインナーが重要?
寒い季節に快適にアウトドアを楽しむには、レイヤリングが重要。例えば、体温を維持するインナー(ベースレイヤー)を着用し、その上に保温効果の高いフリースやダウンなどのミッドレイヤーを重ね、最後に風を通さないアウターで仕上げると、さまざまな環境に対応できる防寒対策が可能です。今回はその中のインナーについて紹介します。
役割は保温と汗冷え防止
インナーの役割としては、まず身体を保温し暖めることがあげられます。近年では、遠赤外線を輻射するものや、水分によって発熱するものなど、高い保温性を持つインナーが各社から多く発売されています。
さらに、インナーのもう一つの大きな役割として「汗冷え対策」があります。冬場は重ね着をするため、釣り場への移動やロッドを操作する動作などで汗をかくことがあります。この時にインナーが吸収しきれない汗をかくと、肌に付いた汗が蒸発し、気化熱によって急激に体温が奪われます。そのため、肌をドライに保てるよう吸湿性と速乾性に優れたインナーを着用することが重要になります。
防寒インナーの代表格として知られるユニクロのヒートテックなどのタウンユース用インナーは、レーヨンなど速乾性をあまり考慮していない素材が使われていることが多い点には注意が必要です。やや値段は高くなりますが、保温性も高く、なおかつ汗冷え防止やストレッチ性能も兼ね備えたアウトドア向けインナーを持っておくと釣りにも大活躍します。
厚さの選び方
防寒インナーは厚さの違うモデルが用意されたアイテムが多く、厚さに応じて防寒性やストレッチ性能が異なるため、釣りのスタイルに合わせた選択が重要です。
基本的には厚手のインナーほど保温性が高いですが、その分ストレッチ性が劣り、着膨れして動きにくくなる傾向があります。また、暖かすぎても、運動中に汗をかいて汗冷えの原因となることにも注意が必要です。そのため、ルアーフィッシングなど動きの多い釣りや、比較的気温の高い日中の釣りなどは、動きやすさと適度な保温性を備えた中厚手のインナーや薄手のインナーを選び、ミッドレイヤーで調整するほうが快適に過ごせる場合もあります。
一方、夜間の釣りや動きが少ないエサ釣りなど、寒さ対策が最優先となる場合は、保温性能重視の厚手のインナーを選ぶと効果的です。厚さの選択は、気温や釣りの最中にどの程度身体を動かすかを考慮して選んでみるといいでしょう。
フィットするサイズを選ぼう
もう一つ重要なのが、サイズ選びです。身体にしっかりフィットしつつ、腕や裾が短すぎないものを選ぶようにしましょう。肌に密着することで効率よく保温や吸湿を発揮する素材も多くあります。また、このインナーの上にさらに重ね着をするため、最初からサイズが大きすぎると着膨れしてしまったり、動きづらくなったりする可能性があります。適切なサイズ選びが快適さを左右する大切なポイントです。
おすすめの防寒インナー
ここからは、1万円以内で購入できるおすすめの高機能防寒インナーシャツをご紹介します。これらのアイテムは、保温性や吸湿性に優れ、寒い季節のアウトドア活動を快適にサポートしてくれます。また、多くの製品にはタイツもラインナップされているため、上下セットで揃えるのもおすすめです。
ブレスサーモアンダーウエア 厚手 for Active
ミズノの「ブレスサーモ」シリーズは、体から出る水分を吸収し、発熱する機能を備えた素材「ブレスサーモ」を使用しているのが特徴です。発熱した空気がインナー内に留まることで、安定した温かさを提供します。また、汗をかいても湿気がこもりにくく、常に快適な状態を維持してくれるインナーです。
「ブレスサーモアンダーウエア厚手 for Active」は高い保温性能を持ちながら、動きやすさも持ち合わせたモデルで厳寒期の釣りにおすすめです。その他には、ランガンスタイルのルアーフィッシングなどよりアクティブな釣りに向く「中厚手 for Active」モデルや、動きのない夜のエサ釣りなどより寒いシチュエーションに向いた「極厚手プレミアムモデル」などもあります。
ジオライン EXP.ラウンドネックシャツ厚手
モンベルの「ジオライン」は、高い吸湿・速乾性能と、内部に空気の層を設けたボックス構造による高い保温力が特徴のインナーです。また、滑りがよい表面素材のため厚手モデルに重ね着してもスムーズに動くことが可能。ストレッチ性能の高さも魅力となります。
厳冬期に活躍する厚手モデル以外には、アクティブな釣りに向く中厚手モデルや、速乾性の高さでオールシーズン活躍する薄手モデルもあります。
ダンロテック クルーネックアンダーシャツ
ダイワの「ダンロテック」は、遠赤外線を利用した、昼夜の温度差にも対応する保温性能が特徴です。汗冷え防止対策としては裏地に疎水性ポリプロピレン素材を織り交ぜることで体温低下を軽減。また、釣りメーカーらしく袖口には撥水のリブ素材を採用し、水の侵入を防ぐ点も釣り人には嬉しいポイントです。
ラインナップはノーマルモデルの他に、動きの少ない釣りに向いた防寒性の高い極厚手モデルがあります。
UAコールドギア
アンダーアーマーの「UAコールドギア アーマー ロングスリーブ クルーネック シャツ」は、高密度なマイクロファイバー糸を採用し、暖かさと快適さを兼ね備えたスポーツ用インナーです。スポーツ向けに設計されているため、吸水性・速乾性が優れており、アクティブに動く釣りシーンでも活躍します。
また、着用感に応じて選べる2種類のタイプがあり、運動をサポートする締め付け感のあるコンプレッションタイプと、適度な余裕があるフィッティドタイプがラインナップされています。ジギングなど動きが多い釣りには、コンプレッションタイプもおすすめです。
さらに、より高い防寒性能を求める方には、「コールドギアインフラレッド」や「コールドギアプロ」といったシリーズも用意されています。
もちジョイ 細微厚地
もちはだ「もちジョイ 細微厚地」は、もちジョイシリーズの中でも薄手のモデル。それでも、ふんわりとした裏起毛とサーモギアという発熱繊維を採用することで、優れた保温性を実現しています。さらに、調湿性やストレッチ性能にも優れており、ジギングなどアクティブな釣りにおすすめのアイテムです。もちろん、普段使いにも適しており、すっきりとしたシルエットでアウターに響きにくいのも特徴になります。
また、より防寒性能を求める方向けには「もちジョイ 極厚」モデルや、「もちはだ SPORTS 3D丸首アンダーシャツ」などもおすすめです。
ドライナミック
ミレーの「ドライナミック」は、上記のようなインナー(ベースレイヤー)のさらに内側に着用するメッシュ素材のウェアです。この特殊なメッシュ構造により、汗がウェア内にこもらず冬でも肌を常にドライに保ち、体温が奪われるのを防ぎます。また、メッシュによってデッドエア(断熱効果を持つ空気層)が生まれ、保温性を向上させる効果も持ちます。
見た目はシンプルで効果が分かりにくいかもしれませんが、冬山登山家も愛用するインナーで、これを着るだけで汗冷えしにくく、快適さが格段に増します。温かさ重視の厚手のベースレイヤーや、速乾性が低いタウンユース用などと組み合わせるのもおすすめです。
ドライレイヤーウォーム
ファイントラックの「ドライレイヤーウォーム」もベースレイヤーの下に着るメッシュ状のウェア。汗冷え・濡れ冷え対策に特化しており、撥水性を持つ薄いメッシュ生地が素早くベースレイヤーに水分を届けることで、肌をドライに保ちます。また、空気の層を作るため保温性を高めるのも特徴です。
「ドライレイヤー」シリーズのなかでも「ドライレイヤーウォーム」はやや厚手の生地で暖かさもUP。普段使いの防寒インナーと組み合わせて保温効果を強化し、汗冷えを防ぐのにも役立つアイテムです。
<TSURINEWS編集部・渡辺>