どこからともなく甘い香り、金木犀の時期だ。この香りを感じると海に行きたくなる。秋を感じるべくして和歌山県那智勝浦へ出かけた。狙いはキンメとウメイロだが、前日の大雨の影響はどっちに転ぶのか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター田中こうじ)
中深海とカゴ釣りのリレー便
4時過ぎに港に着くと同時に船長も登場。当日は、勝浦港の良丸さんにお世話になった。朝マズメのキンメダイを釣って、その後は天秤カゴ釣りでウメイロ、尾長、イサギを狙おうというリレー便。
キンメダイは夜に浅場でエサを漁り、夜が明けると深場に戻る。そのタイミングに合わせるため出航時間は午前5時と早く、まだ真っ暗である。ポイントまで走っている間に東の空が明るくなり、日の出がスタートの合図だ。
キンメ狙いは不発
ミヨシから私、Sさん、Nさんの順に左舷並び。私はジグで、2人はエサ釣りでキンメを狙う。本来だと色濃く出るキンメの反応を船長が教えてくれるので、それに合わせると1発で食ってくるのだが、この日は様子がおかしい。反応が薄く、まばらなようだ。これは、ジグで狙うには厳しい状況。
実は、2週間前にも訪れており、その際もキンメの反応が薄くジグでは釣れなかった。その代わりにイシナギと思われるビックバイトがあったが、キンメ狙いのタックルでは通用するわけもなくブレイク……。この日もトモのNさんが1匹仕留めただけで、キンメの反応は無くなった。
クロムツ狙いに転戦
この後もキンメを狙うなら水深400m超を狙うのだが、この日は見切ってウメイロのポイントへ移動。ただ、船長から「道中にクロムツポイントがあるので寄っていきますね」と一言。魚を釣らせたい船長なのです。そのクロムツポイントは水深230から200mへの掛け上がり。尾根の上に強烈な反応が乗っていた。
ここ数週間、クロムツは行方不明だったそうだが、この日はイタダキパターン。海底から20m以上立ち上がった反応にはハチビキ等も混じっているだろう。
ジギングで30cm級クロムツ
ジグが目立ちすぎるとハチビキの餌食になるので、ショートジグ400gでアプローチ。トモのNさん、胴のSさん共に着底と同時にアタリがあったようで、ロッドが絞り込まれている。クロムツにしては引きすぎるので、恐らくハチビキだろう。ジグを海底から浮かすと餌食になるので、ボトムを舐めるように操作しているとゴツと乗ってきた。
ゆっくりと大きくロッドを煽ってフッキングすると後はゴツゴツとした抵抗を感じながら巻き上げる。浮いてきたのは、30cm級のクロムツ。少し小さいが、良く肥えていて旨そうだ。
メダイにハチビキもヒット
Nさんは途中で針外れたようだが、Sさんは良型のメダイとクロムツ、ユメカサゴの3連だった。あの反応はハチビキではなくメダイなのだろうか。クロムツの活性も良さそうなので、ジグをシルバーロング400gに変更して型を狙った2流目。着底する間もなくジグを引っ手繰られてハチビキが食ってきた。
トモのNさんにもハチビキ。活性が高いと問答無用に食ってくる厄介な魚。決して不味い魚ではないのだが、好きにはなれない。ジグをショートに戻してボトムべったりでジグを静かに動かしてクロムツを追加。40cm近い良型も出て中深海を楽しんでから、本日のメインイベント天秤カゴフカセへ。