美味しいけれど、食べているうちにだんだん飽きてきてしまうのがお刺身。これを味変して美味しく食べる方法はいくつか存在します。
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刺身の味変方法
外出からの帰宅時「帰ったら御飯作らないとなぁ……」という憂鬱な気持ちを解消してくれるのが、スーパーやデパ地下で購入するパックのお刺身。サーモンやマグロ、タイなどの定番品からちょっとマニアックな青魚まで、様々な刺身が置かれていてついつい目移りしてしまいます。
どれも美味しそうな上、タイムセールの値札が貼られていくのを見ていくとついついいろいろな魚の刺身に手が伸びてしまい「こんなに食べ切れないのに……」と後悔するようなこともあるのではないでしょうか。生の魚は数切れまでは美味しく感じますが、沢山の量を食べると食べ飽きてしまうものです。
そんなときに知っておくと便利なのが「刺身の味変方法」。例えば刺身醤油だけで食べるのではなく、すりごまやみりんと合わせたタレに漬け込む「りゅうきゅう」という食べ方は、普通の刺身よりもさらに白米が進みます。また外国に目を向ければ、レモンやライムの果汁、ニンニク、タマネギなどの香味野菜を合わせたものに刺身を和える「セビーチェ」という調理法にすると、白ワインにピッタリのつまみになります。
ハワイの伝統生魚料理「ポキ」
このような「刺身の味変方法」として今回おすすめしたいのが「ポキ」。ポケと呼ばれることもあるこの料理は、太平洋のど真ん中に浮かぶハワイの伝統料理です。
ポキはハワイ先住民の言葉で「小さく切る」という意味。その名の通り、サイコロ状に切った刺身を醤油、みりん、ごま油、ニンニク、ワサビなどで和え、海藻やレタスなどの野菜と一緒に盛り付けたものです。
昔は生魚を海塩と海藻とともに和えただけのシンプルな料理だったそうですが、世界各地からの移民が様々な調味料をもたらし、現在のスタイルになっていったのだそうです。
ポキで食べたい魚とは
ポキはどんな魚でも美味しくすることができる料理。そのため好きな魚の刺身で作ればよいと思うのですが、個人的におすすめの魚種がいくつかあります。
まずはマグロ。その酸味を伴った赤身の味わいは、ポキにしたときに複雑さをもたらし、またタレの力で軽いヅケのようになったマグロの食感はねっとりとして独特の美味しさをもっています。白米に乗せた「ポキ丼」にしても美味しいです。
またこれも定番ですが、やはりサーモンは外せません。脂の乗ったサーモンのポキはどんな野菜と合わせても美味しいです。とくにアボカドとの相性が抜群に良いので、これはぜひ入れていきたいところ。
最後にちょっとマニアックですが、筆者は「シイラ」の刺身が手に入ったときにポキを作ります。シイラは日本ではさほど喜ばれない魚ですが、ハワイではマヒマヒと呼ばれる高級魚。鮮度の良いものの刺身はさっぱりとした酸味を伴った青魚の味わいで、これもまたポキとよく合うのです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>