物価がかなり高くなっている。背景にあるのは戦争だと聞く。筆者は昭和63年生まれ。これまで好景気を知らない灰色の世代だが、それにしてもたまさか痛く感じるような物価高に打ちのめされる。では釣り具に関しては?高くなったのだろうか?
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
釣り具の値段は高くなった?
一言でいえば、釣り具もやはり高くなっていると思う。
先日、ライトゲームのヘッドを買いに行ったとき。通常400円のジグヘッドが、信じられないことに700円になっていた。コーナーでも「700円?まさか」とラベルの貼り間違いと思っていたのだが、実際レジでも700円だった。
その他の釣り具にもかなりの値上げが見られる。三年間のコロナ禍、そして戦争の始まりというダブルパンチだ。
リールの値段で顕著
先日、67歳になる母と話していたところ、「今は何でも1割高にはなった」という言葉が出た。それまでは「結婚後(40年前)から意外にそこまで物の値段はかわっていないよ」という話だったのだが、現況はひしひしと感じるものがあるという。
最近見たインスタグラムの画像には、昭和30年の物価が次のように記されていた。
アンパン:12円
タバコ(ピース):45円
散髪:150円
電車初乗り:10円
小学校教員初給料:7800円
高度経済成長以降、何もかもが今の物価に近づいたというが、お給料を見ると相対的にまあそんなものか。
リールの値段が爆上がり?
釣り具に関していえば、リールの物価高が顕著だと思う。昨年のモデルチェンジでとあるフラッグシップ機種はついに10万円超えとなった。筆者の知る限り、前までは8万ちょいだったはずだ。実に2万円近い値上げとなる。
金属が高くなったのだといわれる。コロナの影響で物流が悪くなり、金属の物流費が上がったことから、大量生産しても元が取れないそうだ。
ただリールはわかりやすい新機能が搭載されている上、主には軽量化の方面に舵が切られているので、コスパを感じやすいものがある。
ちなみに、筆者がおととし手放した以前の車は、「鉄だけの価格でも5万円はありますよ」といって、それに上乗せして不人気過走行車なのに良い値段がついた。
ワームもなぜか高くなった?
ライトゲームアングラーの筆者がよく感じるのが、「ジグヘッドも、特にワームも高くなったな」ということだ。ワームのパッケージ単価は、どうかすると100円上がっている。これまで450円だったものが550円になっていたりするのだから、実際2割高だ。
正直愚痴りたいものがある。しかしこればかりは白米のように必需品なので、仕方ない。もう少しお給金を上げてもらうしかない。幸い減税制度が始まるようだが。ところで常に増税を検討する現内閣は、まだ具体的な増税を一度もしたことがない、と前に酒場のおじさんが言っていた。
低価格で遊べる釣具の進化も
値上げ著しい釣り具だが、コスパは年々良くなっている。特にロッド&リールは、5年前まで中級クラスのスペックだったものが「エントリーハイ」とも言いたい廉価帯にも下りてきているので、実は値段を抑えてもいいものが買える。リールも同様だ。今のエントリークラスは15年前のハイエンドと遜色しない。
ここがポイントで、釣りは実は低価格で遊べるものとなっているのだ。そもそも釣り具によってそこまで釣果に影響は出ないと笑う人も多い。確かにそうだろう。ある程度からは確実に趣味の世界だ。お金がない、物価が高いと舌打ちするよりも、釣り具に関してはうまい買い物を心がけたい。
既存のハイエンドをダウングレードして遊ぶのも一興で、筆者もそろそろあまり使わない2500番リールのミドルハイは、更新機種が来る前にエントリーモデルに戻そうかと思っている。その価格差1万円で、ほとんど自重10gの違いしかないのだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>