アラをはじめ、マダラやオキメバル、ソイの仲間など、釣っておもしろく食味抜群の魚たちが名を連ねる日本海のスロージギング。そのフィールドのひとつ能登半島沖は、希少魚のアラと高確率で出会えるため注目を集めている。今回、このゲームの攻略ノウハウや実釣のほか、スロージギング入門にお勧めのロッドとしてオリムピックのプロトンUX-SJシリーズを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:遊心丸)
遊心丸でスロージギング釣行
さて、ここからは実釣を通してこの釣りの実像に触れたい。フィールドは能登半島外浦の入り口にあたる富来沖。訪れたのは6月の頭。乗船したのは石川県羽咋郡志賀町にある富来漁港の遊心丸。当地のアラジギングのパイオニア船だ。
今回はスロージギングのエントリーユーザーにお勧めしたいロッドによる実釣を兼ねての釣行。釣りを担当するのは同船の女将で、これまで数えきれないほどのアラをキャッチしている凄腕アングラーの佐都美さん。
プロトンUX SJ
使用したロッドはオリムピックから今秋リリース予定のPROTONE(プロトン)UX SJ(スロージギング)シリーズ。3つのラインアップのうち、使用するジグの重さに合わせ67-3-SJ、67-4-SJをメインにゲームを展開した。
船中タヌキメバル連発
まず入ったポイントは、水深150m強の砂泥と岩礁が交じる場所。スタートしてすぐ、佐都美さんをはじめ各アングラーがタヌキメバルを次々にキャッチ。サイズは大きなもので40cmほど。
ヒットパターンは先述の小刻みなジャークによる誘い上げ。アラもそうだがタヌキメバルは特にこの誘いに反応が良いとのことだ。
オキメバルが顔出し
しばらく探ったあとポイントを移動。ここでは佐都美さんはオキメバルを連続でキャッチ。誘い上げからテンションフォールに切り替えたところでアタリがあり、ヒットさせたという。
先述したタヌキメバルのケースもそうだが、佐都美さんは重いジグにじゃれつく魚のアタリを逃さずヒットさせた。プロトンUX SJのブランクスは感度も良く、海中アンテナとして微かなアタリを手元にしっかり伝えてくれた。
深場のゲームに必要なロッド特性
ジギングではロッドを通して手元に伝わる情報を頼りに、ジグの泳ぎや姿勢を把握して状況に合ったものに変えたり、潮の抵抗の変化から捕食層を特定して集中的に誘うなど作戦を練る。
浅海域のゲームに比べ深場ではすべての情報が漠然としてくる。ゆえに、ロッドの感度はアタリを取る以外に重要な役割を果たす。
また、スロージギングはロッドの弾性を利用して、サオにジグを操作させる要素が強い。対象魚の捕食嗜好やジグの演出ごとに、マッチするロッドを選ぶことが重要だ。
特大カガミダイ登場
オキメバルがポツポツと上がったころ、船中に小型アラが登場。いよいよ本命の時合い到来か?その矢先に佐都美さんのロッドが大きく曲がった。
これまでとは大きく異なる重量感。アラであれば独特の首振りと中層まで来たところで再び抵抗する。ゆえに、この魚と対峙するにはパキパキの高反発ロッドは不適で、粘り強く曲がるロッドが有効だ。
筆者も固唾をのんで見守っていたがどうも様子が違う。現れたのは特大サイズのカガミダイ。見た目は今一つだが、大型のものは脂ものって刺身やムニエルなどどう料理しても美味な魚でそのキモは絶品。おいしい魚がそろうのもこの釣りの魅力なのだ。
別日に9kg大型アラ浮上
その後、昼前に少し潮が動きだしたが好転せず・・・。お土産こそ増えたが本命を手にすることなくゲームセットとなった。直前まで船中20匹を超えるアラが上がり、8~9kgの大物も出ていただけに船中一同かなり凹んだ。前日にあった地震が影響したのかもしれない。
とは言え、日本海のスロージギングの好期は始まったばかり、憧れのアラをはじめ、美味なゲストたちが挑戦者を待ってるぞ。