相模川は、富士山の伏流水である忍野八海や富士五湖の1つである山中湖などを水源に持ち、神奈川県中央部を南下し、相模湾へ流入する一級河川。山梨県内では桂川、河口付近では馬入川と呼ばれる。古くは鮎川とも呼ばれ、昔からアユが多く生息している。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)
遡上豊富で大アユの潜む相模川
流域面積は広く、おもな支流だけでも30河川以上。神奈川県内で本流へ流入するおもな支流は、ダム上で秋山川、道志川、ダム下では串川、藤木川、中津川、小鮎川など。規模の大きな支流もある。
山梨県までの天然遡上はないが、城山ダム下までは遡上がある。多い年には1000万尾を超えるアユが遡上した年もある。
アユ釣りが行われているのは、城山ダム下の新小倉橋から国道129号の新昭和橋の約10kmの区間。その下流域でも釣りは可能だが、コロガシ釣り師、ドブ釣り師が多くなる。近年はアユルアーも許可されている。
相模川は、相模川漁業組合連合会によって管理されており、漁連全体の釣り場としては、神奈川県内の本流はもとより、支流の中津川、道志川も含まれている。漁連内の釣り場は、再購入することなく同じ遊漁券で釣り場を変われるので、釣り人にはありがたい。解禁は6月1日(土)。
トモ釣りの場合、相模原市の小倉橋下流端から座間市の座架依橋上流端までの区間。及び支流の中津川の中津川大橋上流端より上流がすべてトモ釣り区間、道志川は全川トモ釣り区間となっている。そのほか、県境付近では、山梨県道志村漁協との共同漁場がある。また、コロガシ釣りは自由区のみ、アユルアーは自由区以外にも使えるエリアが設定されている。
ポイント紹介
主要な釣り場としては、本流では小倉・上大島地区、葉山地区、田名・望地地区、支流では道志川の木の間沢地区、中津川全川に区分できる。
小倉・上大島地区は、流れが大きく2つに分流し、その左岸に上大島友鮎販売所がある。諏訪森下橋下流がこの地区の一番人気ポイントで、流れが緩やかで釣りやすい。その下のキャンプ場前から合流点までの区間は、流れが絞られ急瀬になっており大型が望める。合流点から鵜止まりの淵までは、上大島の一本瀬と呼ばれ、ヘチから流心までアユが着いている。鵜止まりの淵の上流にはザラ瀬があり、淵からアユが差し上ってくるので、数が望める。
葉山島地区は、エン堤下から早瀬からトロ瀬の流れが続き、その下に一本瀬があり淵へと流れ込む。本流筋は右岸の流れだが、左岸に流れは細いが分流がある。分流、合流を繰り返し、流れが複雑になっている。変化のある場所を選んで、移動しながら釣りをすると数が伸びる。
田名・望地地区は、高田橋を中心とした釣り場で、左岸に漁協直営のオトリ店がある。河川敷が広いためアユ釣り大会の会場となっており、初期から盛期にかけてはトーナメンターが多く入川する。流れは、高田橋上流の瀬、橋下流の大トロ下の一本瀬が有望ポイントだ。その下流はキャンプ場前で左岸にぶち当たり、早瀬からトロ瀬の流れが望地石切り場まで続いている。
同地区は、流幅があり、場所によっては4列で釣りが可能だ。一時期に比べて全体的に流れが浅くなったため、急瀬、荒瀬などの流れはないが、頭大の石が中心のため川全体にアユが着いている。トーナメンターが多く、釣りきられているポイントも多いので、前回釣れたポイントに固執せず、足を使ってポイントを探せばいい釣りができると思う。
また、上大島と葉山島の間に、神澤地区がある。入川口がわかりにくいため、釣り人が少なく穴場的な釣り場だ。放流量が少ないので何とも言えないが、アユが動いたあとには思わぬ大釣りがある。また、終期には数は出ないが大型が期待できる。
<週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也/TSURINEWS編>