都心からアクセス抜群の秋川
山梨県との県境にある都民の森のブナ林を水源に、流域に清流をもたらしている秋川は、アユ釣りの解禁は例年6月第一土曜日。今年は6月1日なので、近県の解禁日と重なり釣り人の動向が気になるところ。
すでに3月下旬から稚魚放流(湖産)が始まり、4月中旬では石の色も輝き始めている。放流に伴い、組合役員によるカワウの追い払いを早朝からおこなっており、感謝の思い。
私の住む中流域には河川敷の広い舘谷売店がある。圏央道あきる野IC降車、JR武蔵五日市駅から徒歩、どちらも約15分で着く距離にある。駐車スペースがあり、入漁券やオトリアユはもちろんのこと組合役員を務める店主から最新の情報が得られるという付加価値のあるエリア。また、解禁前には名人による生育調査(試し釣り)をおこなうので、漁協のHPなどで確認を。
都心や近県からのアクセスがいいことから、解禁日は駐車スペースが埋まるほどの人気。前日からの車中泊組や夜明かし組もいるが、釣り人がいない場所取りは厳禁。マナーを守って気持ちのいい解禁を迎えたい。
昨年の解禁日は増水してしまった。今年は渇水気味で推移していたところ、3月に入ってからの降水で放流魚たちも元気に泳いでいる。
タックル
タックルを見ていこう。竿は8~9m。水中イトは急瀬のようなところは少ないのでナイロンライン、フロロカーボンラインでもOK。数が釣れだすと耐久性を求められるので、複合ラインでもいい。
掛けバリは6.5~7号の3、4本イカリ。7号前後のヤナギバリも掛かりはいい。狙うポイントによっては、数人の目印が交差するなんてことは珍しくない。周囲の動きや自分のオトリの位置には常に注意しよう。
売店前から下流
ポイントは売店前から上流にかけては岩盤域になり、溝や深み、岩盤と小石底との境目で活性は高い。ここの岩盤は非常に滑るので、むやみに立ち込むことは避けたい。下流にかけては瀬が中心。瀬尻の浅瀬には渡渉場所のロープが張ってあるので、対岸にはそこを利用することを勧める。
この浅瀬にも目を凝らすと、素早い動きの野アユが確認できる。根掛かりに注意して静かに釣ると、オトリつなぎには最適な場所。
瀬尻の落ち込みからの細い急瀬は人数限定。急瀬からの落ち込みは、やや水深のある護岸や岩盤の淵になっていて、放流魚が溜まりやすいポイント。泳がせ釣り主体になるが、右岸はブロックで護岸されていて釣り人は入れない。左岸のみからの釣りになるので譲り合って楽しんでほしい。
淵からの流れ出しは浅く鏡になっているが、上下流から魚が出てきては縄張りを持つのでサイトフィッシングが楽しめる。このあたりから右岸側は立ち木が覆い被さるので、枝絡みには注意しよう。
ここから下流は短い瀬が続き、両岸から狙えるポイント。石も大きく狭い流れに魚影は濃い。なるべく立ち込まないで釣りたい。あまり流れに乗せてしまうと、ほかの釣り人と竿が触れてしまうこともある。掛かったら素早く竿を絞って、泳ぎを止めることがトラブル回避の秘訣。さらに下流は、大きなプールになっているのであまりお勧めできない。
売店前から上流
売店前に戻って右岸側を上ると岩盤域が続き、色艶のいい所は狙いめ。左岸側の護岸の階段から上流は、木が覆い被さっているので注意。このあたりから川幅が徐々に絞られるので、流れが強くなる。ポイントも絞りやすくなり、型物もよく出る場所。下流の群れアユがこの絞り込みまで上ってくると、活性はかなり高いはず。
このまま右岸側を上ると、秋川橋を望みその下流にはエン堤がある。ここは駅からのほうが近いが、売店から歩く人も多い。橋のたもとにオトリ、入漁券を扱う売店があり店主も釣りに精通していて情報が得られるが、一般者の駐車場はないので注意してほしい。
エン堤の落ち込みから流れ出しは鏡状態の岩盤になっていて、下流からの上りアユも多く溜まる場所。早朝は落ち込みの脇に群れ、時間の経過ととも岩盤で盛んに縄張りを主張するようになる。数が揃うところでもあり釣り人は多い。
さらに秋川橋から上流は秋川橋河川公園になっていて、水温が上がる時期からはバーベキューを楽しむ方や親子で水遊びを楽しむ家族連れでにぎわう。そんなこともあって、公園の開門時間を過ぎると川の中で遊ぶ人たちが増えるので、不要なトラブルを避けるためにも釣りは早朝だけに限ったほうが無難。
公園の上限にあゆみ橋があり、中央で足を止めると上下の流れの中に野アユが確認できる。近県の方は、解禁前や試し釣りの状況を見に来てはいかがだろう。
<週刊つりニュース関東版APC・乙戸裕之/TSURINEWS編>
秋川