ロッドとリールにテンヤだけ。シンプルな装備にもかかわらず、テンヤにエビをつけて海底まで落とせば、マダイをはじめいろいろな魚が食ってくる「ひとつテンヤ」釣り。ベテランアングラーはもちろんだが、ビギナーでも思わぬ獲物を手にできる釣りだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 高原稔)
四季丸で実釣
4月28日、角島沖の「ひとつテンヤマダイ空中戦」に大里港(北九州市門司区)・四季丸さんから出陣。先週まで四季丸さんでは好調な釣況だった沖ノ島周辺へも向かっていたのだが、いよいよ定番ポイントでの空中戦の始まりだ。前日は全体の釣果は多くなかったものの、魚探にはそれらしい痕跡が見え隠れし全体的に大型が食ってきたという。
水深90m弱のポイントに到着すると、船長からはその都度、魚の反応が出た水深をアナウンスしてくれる。そのため、1投目は確実にボトムまで落として、ラインのカラーを確認するアクションが必要になり、以降はラインのカラーと角度を考慮しながら狙いのタナを探っていくという流れだ。
開始まもなく4.7kg本命ヒット
開始して1時間もたたないうち、ボトム近くまで落としたテンヤを巻き上げ始めた途端に、サオ先に違和感が……ひと呼吸置いてアワセを入れてみると、一瞬、ロッドが曲がったまま微動だにせず。直後、一気に手元まで曲がり込むと同時にドラグがうなりを上げ始めた。大型マダイ独特の走りだ。
リール(トーナメントISO3000LBD・SLPワークスISOスプール)のドラグは粘り気がある(ATDドラグ)ことから、必要以上にラインが出されることがなく、走られた時はひたすら止まるまで待っていればよい。自分は魚の引きの強弱に合わせてロッドをコントロールするだけで、それ以外の心配は必要ないのだ。
1尾目とあって慎重にやり取りをしていくと久しぶりに見る良型のオスマダイの姿が現われた。重さは4.7kg。食べる魚のお土産は別に考えていたので、丁寧にエアを抜いてリリースした。