北港でアジが釣れているという噂を聞いて、南港ではどうか、と確かめに行ってみた。春アジの回遊がもしあるならば、そろそろ入っていないとおかしいくらいだ。粘り強くサーチしてみたが、厳しい結果になってしまった。フェリーターミナルでの釣行をお伝えしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
フェリーターミナルでアジング釣行
釣行日は5月10日。新月回りの中潮で、時合いに上げ潮が絡む。絶好の条件に近い。
18時半に釣り場に到着すると、西からの風で堤防の足元に気泡が寄せてきていた。気配濃厚といったところだ。しかしその西の風、体感で約5mとなかなかきつい。このあと緩んでくるという予報だったが、時合いはほとんど西向きを捨てなければならない状況だった。
ということで、フェリーターミナルの内側を見る格好でスタートする。南北の1本堤防はおよそ50mちょい。この範囲内だけでアジを探すのだから、いなかったとしたら、答えは早いはずだ。
回遊の噂あり
ネットで情報を見ていると、北港には回遊の噂があった。舞洲大橋の下では、アジングでよく釣れているらしい。しかし、北港と南港で何が違うのだろうか?この日、まったくアジが触ってこない。もう何の可愛げもないほど、どこにも魚がいない。
時合いから3時間ほど、ノーフィッシュの時間が続いた。ノーフィッシュどころか、ノーバイトだ。まったくアタリもカスリもしない。久々に嫌な予感がしてきた。
じょじょに風がマシになってきて、外海にあたる西向きも打てるようになってきたが、それでもダメだ。ここは足元の10カウントがいつもならアジのホットスポットなのだが、いない。何人かアングラーが入っていたが、誰も釣っている気配がなかった。
フェリーターミナルは港の常夜灯でかなり光量が多いのだが、それも助けにならないどころかサルパを呼び寄せており、ちょこちょこ引っかかってくるのが厄介だった。
キワ打ちでメバル
もはやメバリングに転進するしかないだろう、ということでキワ打ちを始める。通年ライトゲームアングラーの自分が、一番打つのが足元のキワだ。幼少時、父に、足元が一番魚が多い場所だと聞いてから、こういう習癖が身についている。客観的に見れば何やらみっともない姿じゃないかとよく思うのだが、実際、魚の8割は足元で釣っているのであの世の父もしたり顔のはずだ。
やはりちょこちょことアタる。カサゴ、チヌ、メバル。そんなものかなと思っていたら、チヌがヒットした。アジングのエステルライン運用だったので、ちょっと慌ててしまい、切られてしまった。しかしこのときのドラグ音だけでも周囲のアングラーが一斉にワッと私を見たのだから、いかに釣れていないか、だ。
そのあと、もはや諦めかけていたときに、ピピピと魚がワームに攻撃してきてなんだかわからないうちにメバルが上がってきた。かわいいサイズだ。ほとんど「あいさつだけ」といってもいいようなヒット。ありがとう、ボーズ逃れできた。
最小釣果もボーズ逃れ
4時間近く費やして、得たものは最小釣果の1尾。それもかわいいメバル。フェリーターミナルが実はあまりいい釣り場ではないことは確かにしても、ボトムを狙えばカサゴ、チヌなどの魚も見られたかもしれない。このあたりは最終盤、私が退屈して適当になっていた。
結論として、まだ南港には春アジが入っているとは思えない。しかしこの時期にまだということなら、ナシという可能性もある。仕方がない。
ところでこの日、1本堤防の入り口に、椅子が置かれていた。夜目にも目立つ白い椅子だ。こんなの、あったっけ。私設されたのだとしたらあまり関心しないが、一応釣った魚と共に記念撮影しておいた。見るからに劣化していたので、みなさん、座らない方がいいですよ。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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