テーマは「乗っ込み釣り場を転戦」。転戦と言うからには釣れなかったのねとも取れるタイトルだが、魚はわんさかいる茨城県下妻市にある砂沼。吉田は腹パンベラをゲットなったのか。取材日は4月15日(月)。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
砂沼で大ハタキ
記者の経験上、もっとも取材としてのハードルが高いのが春の乗っ込みだと思っている。タイミングが合えば天国で外せば地獄。ならば外さなければいいとなるが、日程ありきの取材ではそうも言ってられない。
しかし今回の取材はタイミング的にはそう悪くはなかった。水が入り増水が始まった砂沼。ただし例年と異なり流入量が少ないのが気がかりだった。ゆえに釣れてもいいはずの取材日前日をもってしても朗報が一切入ってこない。砂沼を得意とする記者の釣友・高西氏でさえも「今年の砂沼はおかしいですよ」と首をかしげる。
しかし何ごともやってみなければわからない。現に釣れていないと言いながらも、前日には水深約30cmの老人ホームワンドで48cmが出ている。ただしその釣り方はハリスを長めにしたドボン釣り。アシや草横などを狙ういわゆる乗っ込み釣りのスタイルではなく、今回の企画趣旨とはかけ離れたものだった。
「釣れなくてもそういう雰囲気で竿を出したいです」
そんな吉田のリクエストに同氏は見事に答えてくれ、当日はハタキ絶好調だったコンクリート工場前に広がるアシ原前に入釣がかなった。
4月15日(月)、5時に現着すると同ポイントではバチャバチャと盛大なハタキ音が聞こえた。
「やってますねー」
幸い先釣者はいなかったので複数あるアシ穴は選び放題だった。
「取りあえずバッグだけ置いて、明るくなったらもっとの濁りが強い所に入ろうと思います」
魚の気配は濃厚
そう言って吉田が選んだのは東面にあるもっとも北側のアシ穴。
「アシの中(手前)はハタキメインで食う魚はいないと思いますので、もっとも先端にある新芽の横にウキを立たせてやってみようと思います」
9尺竿を継ぐと水深は約50cm。新芽の真横にウキを立たせるのか、その先にするかは釣り台の位置を前後させることで調整すれば済む。
ナジみきって下エサが底に着く感じのタナに調整して、5時40分に両グルテンでエサ打ち開始。ブレンドはグルテン四季+野釣りグルテン+凄グル。
「いやー、1投目からウキが斜めに消し込んでいってしまいました。もちろん食いではないですが楽しいですね。春にこれをやっておかないと夏が来ませんから(笑)」
しかしいくら楽しいと言ってもスレアタリばかりでは、いささか息切れしてきてしまった。どうにかして食わせたい。打ち込み点を変えたりタナを動かしたりといろいろ探っていると、6時52分にチッと入った。
アッパーの中型サイズ手中
アワせると、それまでとは異なる静かな引きで魚の顔がこっちを向いた。
「もしかしたら食ってるかもー」
ところがタマ網に入って確認すると、口下ギリギリ外掛かりのアッパーだった。惜しいー。
「はい。でもギリギリでも何でも口に入っていないことにかわりありません。はいはい、次々」
並びでは高西氏がマブナを食わせただけで、ヘラをヒットさせた者は今だ誰一人いない。時刻は7時すぎ。気温が上昇してからがチャンスか、それともあと少し水位が足りないのか。水は入り続けているので、どこかで急変するのか。
次回も「乗っ込み釣り場を転戦」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
砂沼