メバルの適水温は14℃で、これを下回ったり極端に上回ると動きが悪くなる。実質は13℃~16℃までが「普通に釣れる」というレベル。しかし「春告魚」と言われるだけあり、まだ適水温に満たない12℃台の大体3月末~4月の海でも釣れる。今回は適水温前のメバリングについて、立ち回りを解説したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
適水温前のメバリングの特徴
日中の気温が20℃にも近くなる、温暖化が進んだ日本の春。3月でも年々、日ごとの「最高気温」が記録されるのだから、釣り急ぎたくなるものだ。
しかし、いくら気温が高くなっても、ご存じのように海水温は簡単に上がり切らない。4月ではせいぜい後半に差し掛かるまで、上がったところで13℃だ。その前だと、11.5℃~12℃ちょいといった程度。これでは、さすがに早めに動き始める春のメバルも渋い。
適水温14℃前のメバルの動きの特徴には、次のような特徴がある。
時合いが短い
早春のアーリー・メバルは、時合いが短い。筆者の経験では、どこかで30分ほどパタパタと釣れる感じだ。本当に短いときでは10分足らずで止まる。新月中潮回りのような好条件ならば、少し長めにはなる。
しかしメバルは手を尽くせばなんとか釣れ続けるので、時合いを逃しても挽回はできる。
すぐに沈む
ナイトメバルは表層の魚で、軽量ジグヘッドで0カウントから5カウントを主に釣っていく。どんな群れも基本は表層を意識しているので、夜になっていきなり深いところを狙うのはナンセンスだ。例外的に厳冬期のボトムでのホバリングがあるが、水温10℃程度の話。
しかし早春のメバルはずっと表層についてはくれない。「メバルはどんなときも表層を打つべし。表層の群れの方が活性が高い」と筆者は肝に銘じてこのやり方を外さないが、早春のメバルだけはレンジを下げる。
表層でアタらなくなったら、10カウント15カウントまで沈めてみよう。ただし単にジグヘッドを重くしてはいけない。メバルがワームを無視するので、あくまでアンダー1gでレンジを下げる。
ヒットタイムに表層で固め釣り
3月4月と、春になって陽が長くなってくる時期だが、メバルは日没と共にすぐに浮いてくるわけではない。日没から1時間後から、ヒットタイムのスタートだ。19時~21時のあいだに時合いがくるので、その時をとらえて固め釣りしよう。
ジグヘッドのアベレージ・ウェイトは、0.4g~0.8gまで。まずは中間の0.6gを通す。最小0.2gまで下げたい。本当に表層にピタピタのメバルは0.2gしか食わないこともある。ここまで軽量にするとPEではメンディングできないので、エステルラインを張ったスプールも用意しておきたい。
時合いが過ぎたらレンジを下げる
パタパタとメバルが釣れる時合いを過ぎれば、ここからは神経戦になる。適水温ぴったりの時期ように簡単に表層に居残ってくれない上、活性が下がってしまう。おそらく少しでも外気温が低くなると、メバルの餌である小魚やプランクトンが表層から消えてしまうからだろう。外気温の影響をもっとも受けやすいのは、他でもない外気に晒される表層なのだ。
「ちょっとアタリが遠のいたかな」というタイミングで、レンジを下げていく。10カウント、15カウントと、じわじわ下げる。
もちろんメバルの定番の着き場所の足元だけでなく、オープンも狙ってみよう。足元はこの時期、シーバスを主とする大型魚も活性が上がってくる。そんな気配を嫌がってオープンに出ることもあるので、オープンの表層と表中層も釣ってみよう。
ワームは基本小さめで
メバルは最大3inchのワームでも釣れる。90mmのプラグでも釣れるのだから、活性が高ければルアーのサイズはそこまで見てこない。むしろ目立つものをバクバク食いたがる。
しかし、早春の活性が上がり切らない適水温前のメバルには1.5~2inchまでと小さめのワームを見せよう。小さなワームを、軽量なヘッドで漂わせるように釣ると反応がいい。
<井上海生/TSURINEWSライター>