釣りで使う撒きエサ「コマセ」は臭い 一般的な消臭剤では太刀打ち不可能?

釣りで使う撒きエサ「コマセ」は臭い 一般的な消臭剤では太刀打ち不可能?

コマセはいったい何でできているのか。かなり強いニオイを放っていますが、その理由についても調べてみました。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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サカナ研究所 その他

コマセって?

コマセと言うのはサカナを釣っているポイントに集めるためにまく餌のこと。

寄せ餌(よせえ)、撒き餌(まきえ)などと呼ばれることもあります。

米ぬかや冷凍オキアミ、イワシやサンマのミンチ、川泥にサナギ粉を混ぜたものなど、釣りたい対象のサカナの食の好みや季節に合わせて様々な種類が販売されています。

コマセと聞くとなんとなく海の釣りに用いるものを指しているような気にもなりますが、ヘラブナ釣りで使うバラケと呼ばれる集魚効果の高い餌もコマセの一種です。

基本的には同じものであっても、コマセは主にウキ釣りや投げ釣りなどで、撒き餌は主にサビキ釣りやフカセ釣りなどで使われる呼び名だと認識している釣り人も少なくありません。

コマセの成分

コマセや撒き餌は主にパン粉やオカラなどから作られています。

フカセ釣り、特に黒鯛などに使うものは例外で、黒鯛用に押し麦やコーン、牡蠣殻などが使用されています。

そのうえで、オキアミエキスや魚粉などを集魚力を高めるように配合したり、光を反射するキララ素材を配合して視覚効果も高めています。

サカナは視覚以上に嗅覚にかなり頼っていると言われており、コマセは独特のニオイをしていることが多いです。

時間と共に臭くなるのはなぜ?

コマセなどは時間がたつとともにどんどん匂いが強くなっていきます。

と言うのも、コマセに多く含ませているオキアミエキスが腐敗することでどんどんニオイを増していきます。

オキアミエキスは成分的には動物性たんぱく質のかたまりなので、腐るとニオイが酷くなり、ふいに服についたりしてしまうと、洗濯しても漂泊してもニオイはなかなか取れてはくれません。

これは服だけでなくバケツや車のマットなどでも同じで、表面的にはとれていても繊維や素材の奥までオキアミエキスが浸透してしまうとニオイはなかなか落とすことはできず、ほとんどお手上げになる人も多いと思います。

釣りで使う撒きエサ「コマセ」は臭い 一般的な消臭剤では太刀打ち不可能?ニオイの原因はオキアミ(提供:PhotoAC)

有効な対処法

オキアミ由来のコマセのニオイは一般的な洗剤や消臭剤では消すことはほぼ不可能です。

というのは、アミ汁を分解しない限りは、根本的な消臭にならないからです。

最近ではオキアミなどのニオイを対象にした専用の消臭剤も販売されており、これを使用する以外には現段階で有効な手段はないと言えます。

よくある市販の部屋や衣服などで使用する消臭剤では一度ニオイは消えたとしても根本的な消臭にはならないため、時間がたつとともにあの独特のニオイは戻ってきてしまいます。

禁止されている場所もある

コマセや撒き餌は釣りにおいて非常に効果的ですが、一方で釣り場を汚してしまうという問題もあります。

コマセや撒き餌を使うと、いくら気をつけていても足元などに飛び散ってしまいます。

一部のマナーが悪い人が、それを汚したままで帰ったり、パッケージのゴミを放置したりすることで発生する悪臭の問題もおきています。

これにより、堤防によってはコマセや撒き餌の禁止、最悪の場合は釣り自体が禁止になっている場合もあります。

新型コロナウイルスの感染拡大以降、釣り人は一気に増えたものの、手軽にサカナが釣れるコマセや撒き餌が原因で立ち入り禁止になっている堤防は増加傾向にあります。

堤防はそもそも一般の人が釣りをするために場所ではなく、高波から人を守るためや、漁師が漁業の仕事をする場所であるため、釣り人は最低限のマナーは守らなければなりません。

釣りができる場所をこれ以上減らさないためにも、使った場所は必ずキレイにして帰りましょう。

撒き餌を使った釣りをする時には、その場所で撒き餌が許可されているかどうかを事前に確認することが大切です。

<近藤 俊/サカナ研究所>