春の富山湾では、産卵で接岸したホタルイカを追う多彩なフィッシュイーターが釣り放題という一大イベントが発生する。ただし、このイベントは月齢などの条件に大きく左右され、ホタルイカの動きをルアーでうまく演出する必要もあってアングラーの対応力が問われる。今回、地元富山のエキスパートに聞いたホタルイカパターンの攻略術とともに、現地で話題になっている注目のルアーを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部 五井)
シャローマジック80
以上の特性を備えたミノーはいくつか存在するが、今回紹介するのが松任さんが開発に携わり、今冬の発売以来好釣果を量産しているアクアウェーブのシャローマジック80だ。
このルアー、富山ではすでに話題を呼んでおり、一例として、松任さんと繋がりのあるアングラーTさんが、3月4日にこのルアーでビッグなメバルを連発したことがSNSにアップされている。
独特の泳ぎが特徴
ホタルイカをはじめ、遊泳力の弱いベイトの演出に最適なシンキングミノーで、後方寄りの重心が飛距離と独特の泳ぎを生む。一番の武器はスローで引いたときの「動かないアクション」。微弱な遊泳波動を出すベイトを演出して多彩なフィッシュイーターを魅了する。
デッドスローで引くとごくゆっくりローリングで泳ぎ、中速で引くとウォブンロールで泳ぎ、浮遊するベイトと必死に逃げるベイトの両方を演じるのだが、スローリトリーブ時のアクションがホタルイカの演出に最適だという。
なお、ホタルイカパターンでのこのルアーの活用法が動画でも紹介されている。
カラーの選択術
ホタルイカのボディは半透明。興奮すると赤色を呈し、弱ってくると白濁する。
このため、クリアー系やパール系カラーの実績が高い。一方で、濁りがあったり、活性の高い魚にいち早くアプローチしたいときはアピール系カラーも有効だ。
カラーの選択法をシャローマジック80のラインナップを例に解説しよう。
ホタルイカの各状態の体色を演出するならホタルイカのほか、ミミイカ、ほろ酔いマッコリ、霞海シラスといったナチュラル系クリアーカラー。
また、アピール重視で攻める場合はC.ライムチャートやC.チャートバックシグナルのほか、オールラウンドに効くのがC.マットピンクО.Bと幻薄紅ホタルだ。
ちなみに、C.マットピンクО.Bは腹面に、幻薄紅ホタルは薄く背面に橙色の塗装が施されており、ともにホタルイカの肝を意識したカラー。この2色はよく釣れると松任さんもお気に入りだ。
フックの強化も考慮したい
この釣りでは、小型プラグを用いることで同時に多様な魚を狙えるのだが、大型シーバスや頑強な歯とアゴを持つクロダイのヒットを想定すると、純正で付いているフックが細いと心配。万全を期すためにはフックを太軸に変えたいところ。
しかし、付け替えたフックが重量過多だとプラグの動きを壊してしまう恐れがある。フックを変えたら釣行前にスイムチェックし、問題があれば別なものを用いたほうが賢明だ。
ちなみに、シャローマジック80はこの点も考慮された設計。フックを純正のST-26の8番から、太軸のST-36の8番に強化しても動きが崩れない。