淡水小物釣りで釣った魚を釣り場で小型水槽に入れて楽しむのもいいですが、持ち帰って自宅で飼育してみてはいかがでしょう。観察をすれば、釣りのスキルアップにもつながります。今回は、小型淡水魚の飼育入門について解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター夏野)
飼育&観察が面白い
釣りの楽しみはもちろん魚を釣ることですが、釣った魚を飼育する楽しみもあります。釣った魚を飼育し生態や食性を直に観察する事でより釣魚に対しての理解を深める事ができます。これらは実際に釣りをする上でも役に立つ知識です。
例えば魚が採餌する様子を観察すれば、水面に浮かんだ餌を食べるのか、水底に沈んだ餌を食べるのかを知ることが出来ます。これは実際の釣りでターゲットとする釣魚のタナを探る際に役立ちます。
他にも水温の高い時と低い時の魚の活性の違いを実際の様子を観察することでよりリアルに知ることが出来ます。これは「今日は水温が低そうだから、魚の活性が少しでも高い〇〇に行こう」等、ポイント探しに役立つ知識です。また様々な魚を同時に飼育すれば、魚同士の相性や棲み分けも知る事ができます。
さらに飼育水槽は岩や水草を入れたり、ポンプで水流を作ったりする事で小さな自然環境を作ることが出来ます。自分好みの釣りポイントを水槽内に作り上げ、自分が釣った魚をそこに泳がせて鑑賞するといった釣り人ならではの楽しみ方も出来るのです。
飼育を始める前に
実際には多くの人が最初から大きい水槽で様々な魚を育てたいと考えると思います。またそれらの飼育方法もWebで調べればいくらでも情報が出てきます。しかし実際の飼育は自分でやってみないと分からない事が多くあります。例えば水槽の水替えや掃除は飼育をする上で必須となりますが、そういった世話がやり易いか否かは各個人の自宅環境によって異なるといったケースです。
そこでまずは移動の簡単な小さな水槽で少数の魚を育てることで、自分自身の飼育環境を試してみるところから始める事をおすすめします。
飼育の道具紹介
最初はすべて揃っている小さな飼育セットで始めるのが良いでしょう。15Lの水槽、エアポンプ、カルキ抜き剤、バクテリア添加剤、金魚用の餌が入った小さな飼育セットが安価に購入できておすすめです。私はこれと一緒に水底に敷く砂と水流を作ってくれるポンプ用のエルボーを購入しました。
最初は3匹程度から
小魚は意外と食欲旺盛で毎日多くのフンをしますので、最初からあまり多くの魚を入れてしまうと水の汚れが早く水替えの頻度も多くなって大変です。その為、最初は飼育しやすい3匹程度から飼育を始めるのがお薦めです。
飼育用水槽の立ち上げ方
まずは砂や砂利を水槽の中に敷き詰めますが、そのまま入れると水が濁ってしまいますので事前によく洗って下さい。100均で売っているザルを使うと手早く作業が出来て便利です。
次にエアポンプを配置します。配置する位置は基本的にどこにおいても構いませんが、エルボーを使う場合は左右どちらかの端に置き、水を対流させてやると水槽内に水の流れを作ることが出来ます。砂とエアポンプの配置が終わったら中に入れる水を準備します。
カルキ抜き
水道水には魚に有害なカルキが含まれていますのでまずはこれを取り除く「カルキ抜き」を行います。バケツに水を溜めて半日~1日程度放置するという方法もありますが、市販のカルキ抜き剤を使うと短時間でカルキを中和する事が出来て便利です。
この水にバクテリア添加剤を入れます。このバクテリアが小魚の出したフンや食べ残した餌などの有機物を分解してくれるのです。バクテリアがいないとこれらの有機物が腐敗化し水の汚れや悪臭の元となります。添加したバクテリアが水槽内の環境に安定して定着するのに1週間程度かかると言われています。その為、最初の水替えは1週間程度空けて行って下さい。
水合わせ
最後に「水合わせ」です。これは魚を入れているバケツと準備した水槽の水の水質と水温をある程度合わせてやる事で魚への負担を減らす為に行います。特に小物釣りで釣るサイズの様な10cm以下の小魚は水質や水温の変化に弱いのでこの工程は必ず行ったほうが良いでしょう。
時間をかけながら水槽の水を少量ずつ水をバケツのほうに混ぜてゆきます。先を縛ったチューブ等を使った「点滴法」と呼ばれる方法が手軽で簡単です。1時間くらいかけて水合わせを行った後、いよいよ魚を水槽に入れます。魚が元気に泳いでいれば水合わせは成功です。