今年は年明けから暖かい日が続き、比較的釣りに行きやすい。しかし、水の中は何か変だ。年が明けても水温が高く、ボラの稚魚(イナッコ)が群れで河川に残っていたし、中旬になっても今度は成長したボラが大群で泳いでいた。川の透明度は高く、水温は確実に下がってはいるが、例年とは違う違和感を感じる。そんな1月上旬に早いとは思いつつもバチ抜けを意識した釣行へ出かけた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
小河川でセイゴ連発
1/10(大潮)日中は比較的暖かいが、季節はバチ抜けを向かえる頃だ。そこで、千葉県の小河川へバチ抜けを期待して釣行に出掛けた。
まだ明るい時間帯だが、とりあえずポイントをざっと見て回ることにした。水質はかなりクリアで底までまる見えだ。よくよく見てみると、ボラが元気に泳ぎ回っている。水面にゴミは多かったが、とりあえず生命感はあって安心だ。
暗くなっていよいよ実釣だが、肝心のバチは全く見えない。潮は悪くないはずだが、バチ抜け用に持ってきたルアーはことごとく不発。これはまだ早いようだと判断した。
少し場所を移動して、小型のマイクロベイトを意識した釣り方にチェンジ。メバル用のミノーを使ってみると、驚いたことに20cm前後のセイゴが連発。
この季節らしいと言えばらしいが、とにかく活性が高い。ついつい夢中で10匹以上をあっという間に釣ってしまった。しばらくすると潮が引いてセイゴのアタリもなくなったので終了としたが、何となく不完全燃焼だった。
養老川はまだまだベイトが多い
さて、そんな小河川の釣行から数日後、今度は養老川へ入った。辺りは暗くなっていたが、おそらくまだバチは抜けていないだろうと予想。やはり水面を見てもバチは見えない。
しかし、釣り人の多さに驚きと嬉しさが湧いてきた。寒さ厳しい1月の夜に、数十人の釣り人が必死になってる姿がある。魚が釣れていなくても不思議と心強さがある。
下流から釣りをスタート。ストラクチャーが全くない場所からなので、地形変化を狙うが、ここでもボラが元気よく跳ねたり、モゾモゾしていた。このボラのいる場所が浅くなっているので、この周辺を重点的にシンキングペンシルやバチ用の細身のルアーで狙う。
ボトムにするくらい浅い場所を流すと、ゴミのような重たさを感じた。すぐに「ヤツ」だとわかった。
エイだ。寒さに強いのか、この時期でも掛かるとパワフルだ。ひとしきりエイと格闘しながら、上流まで釣り上がるが、やはり同じようにエイがヒットするくらいで何も反応がなかったので終了とした。
今後の展望
今回、千葉県の小河川とメジャーな養老川を釣り歩いたが、この原稿を作成している1月の下旬になってようやく少しバチが確認できた。しかし、シーバスには遠い印象だ。特に養老川は、今だバチ抜けという感じはしない。むしろ、まだベイトが元気なくらいだ。
これは筆者の予想だが、良型のシーバスは産卵からの戻りが少ないと考える。加えてどんなにベイトが元気でも低水温には違いはない。ボトムでじっとエサを待っている状態ではないのかと思っている。
バチ抜けはおそらく2月がピークだろう。そして、3月に入ればハク(ボラの幼魚)も混じってカオスな状態となる。その前にもう1度、正式にバチ抜けシーバスを釣り上げ、記事にしたいものだ。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>
養老川