昨年の10月から禁漁となった渓流もいよいよシーズンが近づいてきた。早い地域では2月から、私の住む三重県では3月1日以降、順次解禁していく。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)
実践
それでは実際に釣行してみよう。まず初めての渓は絶対に単独では行かず、経験者と同行してほしい。渓によっては熟練した沢登りの技術が必要な所もある。次に釣りに行く前に、家族か知人に行く場所と帰宅予定を伝える。万が一に備えることは大事だ。
車止めに着いて夜明けを待つ。先行車があれば沢割りしてもらう。この時、例えば先行者が滝から下流や枝沢に入り、自分たちが上流域に入るとなったとする。基本車止めからのアプローチでは山道などがあり、そこを歩いて行けばいいのだが、この時に登山のルートと釣りのルートが違うことがある。
木にテープが巻いてある所は注意しよう。ここでルートが変わる印だ。ルートによっては渓に入らなくてはならない所がある。下流から釣る人のためにも、ポイントを荒らさないようにしてほしい。
いよいよポイントに到着。私はここでコーヒータイムにする。源流域で飲むコーヒーはインスタントでも最高だ。一服してからいよいよ釣り開始。しかし朝一番は水温も低く、魚の活性も低いため掛からないこともある。
ここで焦って上流に釣り上ると、帰りの距離も多く疲れてしまう。釣れなくてもポイントを細かく探り、ゆっくりとしたペースで釣り上ってほしい。日が上がるごとに釣果も上がってくる。
基本源流ではエサが少なく、食いもいいはず。キープした魚はおいしくいただくために、休憩を兼ねて2時間ごとにハラワタを抜く。この時エラに虫が入っていることがあるので、血合いと一緒に取り除く。
大体10時ごろにはお腹が空いてくるので、昼食をとる。納竿時間は帰り道に林道があれば午後2時、なければ1時を目途にする。
渓は3時ごろには日が陰ってしまう。帰りは山道を使うこともあるが、この時スタート地点から水平に歩くと、渓からどんどん離れていき気が付いたら崖ということもある。渓との距離を修正してほしい。
基本は釣り上った所を戻ることになるが、この時ヒザをやってしまうことがある。下りで体重がかかってしまうからだ。時間をかけてゆっくり帰るようにしてほしい。車に戻るまでは気を抜かないことが大事だ。
源流釣行は自然に対するマナーと釣り人に対するマナーが大事だと思っている。ゴミなど絶対に捨てないで、釣果よりも自然と楽しい一日が過ごせたということが大事だと思う。今年も楽しいシーズンになりますように。
<週刊つりニュース中部版 石橋英之/TSURINEWS編>