いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説

昨年の10月から禁漁となった渓流もいよいよシーズンが近づいてきた。早い地域では2月から、私の住む三重県では3月1日以降、順次解禁していく。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

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淡水の釣り 渓流釣り

渓流釣りに挑戦

渓流釣りといってもその流域で本流、渓流、源流と大きく分けられる。ここでは本流はメインに遡上物のマス類や尺上の大物を7m以上の長ザオで狙うエリア、渓流はその上流域でメインは放流物(稚魚、成魚)を5~6mのサオを使って釣るエリア、源流域は基本放流がされずネイティブな魚が釣れるエリアで、今回は特に車止めから人力でアプローチするエリアとして源流でのマナーや釣り方について書きたいと思う。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説大自然のなかで渓魚と対峙(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

最初に一番肝心なことは放流がされていなくても、漁協がある河川では必ず鑑札を購入すること。過去に車止めで会った釣り人は、「日券を買おうとしたら夜中で家が閉まっていた」という話を聞いた。現在ではほとんどの漁協でフィッシュパスに対応しており、事前に携帯から購入できる。

また漁協のない河川でも、釣行期間など県の条例に従ってほしい。次に車止めから上流を釣ることになるので、夜明け前には車止めに着くようにしよう。渓流釣りは先行者優先という大前提がある。車止めに先行者の車が見える場合は、夜明けとともに先着者から沢割り(釣り場の割り当て)をしてもらう。

この時に来ていないと、先行者がどこに入っているか分からなくなる。後からあてずっぽうに入って先行者の前を釣る(頭ハネ)行為は一番やってはいけないことだ。放流物がメインの渓流域でもよく見るが、基本先行者がいるときはその人が釣るエリアを外して釣るのがマナーだ。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説ポイントへのアプローチは慎重に(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

そして釣り上りが基本だ。先行者は車が止めてある所から釣り上っていると思い、下流域から釣り上っていくと、上流から釣り下ってきた釣り人と会うことも多くある。

川幅がある所は別として、この場合お互いの釣り場を荒らしてしまう。私は師匠から「源流域での頭ハネは絶対にやるな」と教えられたが、何度か遭遇したことがある。お互いに気持ちよく釣るためにも、車止めには夜明け前に着くようにしたい。もし先行車がいる場合は、別の渓に移動をお願いしたい。

装備

さて装備品だがビクとリュックサック(釣りメーカーから一体型が出ている)を用意したい。気温が高くカッパを着ない場合は、リュックの中に携帯する。源流域では平地と比べて約5度低くなる。私も5月に雪に降られた経験があるし、急な天候の変化に対応するためにも必要だ。

次に昼食とは別に非常食としてチョコレートをお勧めする。源流域では最悪のことを想定してほしい。そして2万5千分の一の地図。釣り上っているときは大丈夫だが、帰りに間違って獣道を進んで迷ってしまうケースもある。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説アマゴが待つ渓に出かけよう(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

基本携帯はつながらないので地図は必要。それと高巻き時などに必要になる30mザイルかロープは必須。後は日が落ちた時用にLEDライトとガムテープ。ガムテープは前述通り寒くなった時に着火剤代わりに。そして万が一骨折したとき、添え木を固定する包帯代わりに使える。

タックル

サオだが、源流域といって短いサオではなくできれば5.5mのマルチタイプの硬硬調でチューブラー穂先をお勧めしたい。源流域では木が覆いかぶさり、基本仕掛けの振り込みはアンダーキャストになる。それと良型が掛かると、一気に下流の落ち込みに走る傾向にあり、それを止めるにはパワーのあるサオが必要となる。また源流域の魚は非常に敏感で、ポイントに近づき過ぎると魚が逃げてしまう。

1匹が走ると、そのポイントの魚は全て石の下に隠れてしまい釣れなくなる。ポイントから離れて釣るためにも、仕掛けは例えば全長3mを使用した場合、サオを伸ばしたり畳んだりしやすいマルチロッドが活躍する。

サオはメインと予備の2本が望ましいが、予備ザオがない場合でもメインのサオの替え穂先も持っていこう。サオが折れては釣りにならないが、そのほとんどは穂先が折れることが多いため、予備を持っていくことをお勧めだ。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説いつまでも豊かな渓であるように(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

エサだが私は早期はミミズ、5月以降はブドウムシを1パック持っていく。それ以上は持っていかず、エサがなくなったらよく釣れた証拠なので、満足して帰るようにしている。

前述した通り基本ネイティブを対象にしているので、家族で食べる分をキープしたら後はリリースしている。私は師匠からアユの1束は100、アマゴは10匹だと教わった。以前地元が台風被害に遭い、2年ほど入渓禁止になった渓があった。

入渓が解禁となった年は良型がよく釣れ、人が入らないとこんなに魚が増えるのかと喜んだものだ。しかし別の沢ではネットで紹介され、魚が枯渇した所もある。キープサイズや数は釣り人の良心に委ねたいと思う。

源流域では魚は自然孵化に頼らなくてはならない。一部では有志の人が発眼卵を放流したり、枯渇した沢に釣った魚を放流していることもある。いつまでもきれいな魚が釣れる渓を残していきたい。

また今回はエサ釣りを前提にしているが、もしあればワンピースのルアーロッドとリールを持って行くことをお勧めする。源流とはいえ滝壷などサオが届かないポイントでは、ルアーで大物が釣れることがあるし、ルアーでも十分楽しめる。

いよいよ【渓流エサ釣り】シーズン開幕!入門者向けに道具・釣り方を解説源流では魚の食いはいい(提供:週刊つりニュース中部版 石橋英之)

最後にクマ除けの鈴と笛は忘れないでほしい。今冬は特に各地でクマの被害が多くなっている。特に春先は、冬眠明けのクマと遭遇する危険性がある。基本的にクマは臆病だといわれているが、定期的に笛などを吹いてクマの方から逃げてもらうようにする。

なおも過去に一度クマに遭遇した。その時は沢の石がひっくり返され、木にはツメ痕があった。笛を吹きながら林道に出ると、山に走っていくクマを見てほっとしたものだ。後あれば落石から守るために、ヘルメットの持参もお勧めしたい。

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