猿島~観音崎・走水沖のタチウオが、年明けから盛り上がりを見せている。天ビン釣りの人気も高かったが、近年のテンヤブームで拍車がかかり、今や東京湾を代表する看板魚と言ってもいいだろう。1月12日(金)、金沢八景(漁港内)の鴨下丸から釣行。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
真冬のテンヤタチウオ釣行
当日集まったのはテンヤ狙いの7人。「朝からの冷え込みがキツくて、桟橋や甲板は凍りついていますから、乗船時は足元に気をつけてください」と、舵を握る高山船長に注意を促され、左舷に4人、右舷に3人が並び、定刻の7時20分に出船。
猿島沖で実釣スタート
約40分で猿島沖に到着。「この辺りから反応を見ていきますので、準備をしておいてください」とアナウンス。すると、直後に反応をとらえたようで「では始めてみましょう。57~59mくらいから探って。タナは海面からの指示なので、リールのカウンターではなく、ミチイトのメーターマークでしっかり取るようにしてください」と開始の合図が出た。
船内を見回すと、多くの人が電動リールの微速巻きを入れながら、竿を小刻みに動かして、時どき止めの間を入れている。私も同じ誘いでスタート。
133cmのドラゴンサイズをキャッチ
ひと流し目、左舷ミヨシの佐藤さん(綾瀬市)の巻き上げ音が耳に入った。重量感のある引きは、まさしく大物の予感。手慣れたやりとりで魚を浮かせ、無事にリーダーをつかみ、大きな魚体を船内へ取り込む。
船中1尾目は、この日最大となる133cm。このサイズとなると顔つきがガラリと変わり、大型は”ドラゴン”の名で呼ばれる。この1尾はまさしく〝スーパードラゴン〟と呼ぶに相応しい1尾。
チャート系のテンヤにヒット
続けて竿を曲げたのは左舷ミヨシ2番の渡辺さん(戸塚区)。チャート系のイエローのテンヤカラーでアピールし、見事本命を手にしていた。
同じような誘いで釣り続けると、アタリこそあるがショートバイトばかり。ハリ掛かりさせてもバラシの連発。
そこで、釣り方を少し変更。誘いをややソフトにして、最初のアタリに対してすぐに掛けにいくのではなく、テンヤが持ち込まれるまで誘い続け、深く追わせる釣法にチェンジする。
釣法のコツ
この利点は、テンヤが持ち込まれるまで待つことで、ハリが立ちやすくなり、タチウオの頬をしっかり貫くことができる。竿はスタート時よりひと番手軟らかいものに持ち替え、竿自体にも掛けるまでのフトコロを持たせ、より深く食わせることを狙ってみた。
すると、この誘いの変化が奏功する。”トン”という小さなアタリが出ても誘いを継続。竿先が追従するように魚の重みが乗ってからアワセを入れるとガッチリとハリ掛かり。
やりとりも、決して魚と引っ張り合いをせず、強く引かれたら巻くのをやめて竿の弾力でいなし、引きが弱まったタイミングでリーリング。無事に本命の顔を見ることができた。