冬将軍の到来とともに面白くなるのが、千葉県山武郡九十九里町にある宮島池だ。水温の低下とともにジャミの動きが静かになり、猛暑で口を閉ざしていたヘラの荒食いが始まる。温暖地とあって真冬でも快適。短竿で十分なので、ビギナー・ジュニア・女性でも楽しめる。また、太平洋に面した観光地だけにドライブ釣行などもお勧め。今冬は九十九里の激熱スポットで、身も心もホカホカになろう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュースAPC・中村直樹)
宮島池の概況
漁業の町・イワシの町として有名な千葉県山武郡九十九里町。近年はサーフィンでも有名で若者の姿も多く見られる。
宮島池は、そんな同町北部に位置する周囲500mほどのかんがい用ため池。昭和8年に施工され、平成5年に市が周辺を整備し、『宮島池親水公園』となった。
古くから中小ベラが釣れることで有名なうえ、日研・全放協からの定期放流もあり、魚影の濃さはピカイチ。凍てつくような厳寒期でも活発にウキが動き、昨冬は高釣果が続出した。夏場はジャミの動きがすごすぎて釣果は低迷するが、気温・水温が下がればヘラが優勢になる。また例年11月に行われる新ベラ放流を境に、一気に釣り人が増える。
池の周囲は遊歩道が設けてあり、四季折々の樹木が植えられ、地域民の憩いの場。また、ビオトープや水上デッキなどもあり、のんびりするのにも最適。駐車場・清潔な水洗トイレも完備されているので女性でも安心。
ポイント
池を横断する遊歩道を境に大池・小池に分かれる。水が繋がっていて魚の往来もあるが、近年は小池のほうが釣果的には優勢だ。
小池・北岸
駐車場下とも言われる同池きっての人気ポイント。水深は1本強~1本半で西側のほうが若干深くなる。手前が深く沖が浅いので7尺前後の短竿で楽しむ人がほとんど。しかし並んだら竿10尺前後のほうがアタリはもらえる。
小池・西岸
ビオトープ前とも言われ、北西の季節風を背負えることから冬季は人気。北側は魚が濃いが、南に寄るほど薄くなる。水深は北側が若干深く平均すると1本強。竿は9~13尺。
大池・西岸
大池駐車場前とも言われている。普段はパッとしないポイントだが、冬期は良型地ベラが出ることがあり40cm超も狙える。そのためか、ここを専門に狙うファンもいるほどだ。水深は1本強~1本半。魚影が薄いので竿は12~15尺で沖め狙いがいい。
大池・南岸
材木所下とも言われ、かつての1級ポイント。同池の最深部となり水深は2本弱。近年はめっきり人気を落とし、暖期でも釣り人の姿を見かけなくなった。
竿は10~13尺。魚が薄くなったので竿15尺前後で沖を狙う手もある。人災を避け静かに楽しみたい人にお勧めだ。
注意点
護岸化されているものの、冬期は減水期で傾斜が急な所があり滑りやすいので要注意。無理をして水面に釣り台を近付けるより、足場のいい場所で安全に楽しもう。その際、釣り座と水面に距離ができるので、念のため長めの玉の柄や水汲み用のヒモ付きバケツを用意しよう。