数釣りができて、しかも良型ぞろい。そんな欲ばり派にうってつけなのが埼玉県寄居町にある円良田湖だ。桟橋、陸っぱりなど好きなスタイルで狙えて、そのどれもが、十分満足できる釣果をもたらしてくれる。直近で新ベラも放流され、新入生に刺激された良型旧ベラが活発にエサを追っている。遅く起きても半日券があるので、暖かくなってから出かけるのも一興だ。
(アイキャッチ画像提供:がまかつテクニカルインストラクター熊谷充)
円良田湖の概況
10月20日からヘラ釣りは常管桟橋と陸っぱりのみ(期間限定)とアナウンスされていたが、ワカサギの釣況が思わしくないとのことから、急きょエリアの制限を撤廃することとなった。また例年だと常管桟橋が網中の釣りとなる予定だったが、今年は網が張られていない。
釣況はすこぶる良好で日並み(おもに風)もあるだろうが、いい日なら両ダンゴの宙釣りで終日やれば50枚以上はラクに狙える。また新ベラも放流済みなので、群れに当たればさらなる数釣りができるだろう。
ポイント
底釣りなら常管桟橋、並びに陸っぱりがいい。適当な長さで底が取れ、しかも底釣りをする人が多ければ底の状態も悪くない。宙と異なり底の状態が釣果を左右するので、一にも二にも底の良し悪しでポイントを決める。
宙なら当日の風向きなどで場所を決めるのがセオリーだが、風に強いと言う点では常管桟橋が群を抜いている。どの方向から風が吹いても常管なら風を背にして釣りができる。今後は季節風が吹くことが多くなるので、どこと決めてないなら常管桟橋を最有力候補とするのが無難だろう。
なお条件がいい日なら梨の木、梅林、旅館前のいずれの桟橋でも楽しい釣りができる。とくに旅館前桟橋は人も少なく桟橋も広いので、混雑感を嫌う人には打ってつけ。
釣り方とエサ
円良田湖で底釣りをしたいなら陸っぱりを除くと、常管桟橋か梨の木桟橋の一部に限られる。満水だとして常管なら竿18~25尺、梨の木なら24尺以上が必要だろう。
エサは現状なら両ダンゴが主流だが、さらに水温が下がり活性が落ちればグルテンセットまたは両グルが定番になる。ウドンやグルテンを食わせに用いた段差の底釣りは時期尚早だろう。
東を向いて3本ある常管桟橋の底釣りなら底形状はおおむね逆カケアガリで、両端付近はさらに左右の傾斜も加わる。できるだけフラットな底を見つけたいが、不可能ならせめてエサ打ち点を安定させたい。正確な落とし込みはもちろん、穂先~ウキ止めの間隔はできるだけ狭くしたい。
傾斜底に流れが加わると、タナが狂うのは避けられない。底を切るとアタリが出づらく、ベタベタになればスレが多発。これを避けるてっとり早い方法は一つ。早いアタリを出すことだ。底釣りの教科書アタリを待つことなく、着底してすぐにアタるようにすれば傾斜の心配は不要となる。新ベラなら早めにアタってくれる可能性が高いが、地ベラでもやりようはある。ハリス長、エサのタッチ、ウキの浮力(オモリ量)、ハリの大きさ(重さ)など複数要素を組み合わせ落下途中のアピール力を高めたい。
底釣りだと長竿が主体だが、宙なら短竿でもイケる。現に取材当日は隣りの記者さんがカッツケ両ダンゴで良型をビシバシ絞っていた。晩秋だから浅ダナはないなどと決めつけず、桟橋直下に魚影が見えるようなら積極的に狙ってみたい。
もちろん主流はチョウチンだろう。水深がたっぷりある同湖なら、好きな長さの竿を思う存分振り回せる。深いタナ=良型とは限らないのが同湖のクセでもあるが、深いタナは浅ダナに比べても素直な魚が多いので釣りやすい。気象条件にも強い釣り方なので、まずはチョウチンから始めて釣況次第で浅ダナにシフトしてみよう。
エサは両ダンゴがメインだが、アタリの出方が遅いようならウドンセットに切り替えたほうが得策。逆にアタリは出るがカラツンが多いなら、両グルテンを試しても面白いかもしれない。
<がまかつテクニカルインストラクター熊谷充/TSURINEWS編>
円良田湖
料金:桟橋¥2100。ボート(2月末までワカサギのみ)は放流バッジ所持者¥2600、なしが¥2800でいずれも入釣料含む。陸は放流バッジ所持者が¥600、なしは¥800。陸は釣り台必携。
問い合わせ:円良田湖釣り事務所 TEL=048(581)8511