挑戦なくして現状維持もままならない。それはヘラの世界も同じ。失敗を恐れず突き進め! マルキユーインストラクター・吉田康雄に与えられた使命は、まさしく挑戦。「先生」になんてならなくていい。いつだってどこだってザ・チャレンジ! 第59回のテーマは「ゼロからのスタートIN亀山湖」。常連からのアドバイスを受けず、記者も何も手伝わず一人で立ち向かった吉田の最終釣果はいかに?
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部・関口)
亀山湖の倒れスギに入る
取材最終日の9月26日(火)、笹川筋の通称・倒れスギに入った吉田。小ベラはもうたくさんだとばかり、竿18尺マッシュ系両ダンゴのチョウチン釣りで始める。ハリは上下サイト18号を使った大バリ仕様。ウキは吉田作ペレ宙用のフォルテ。太めのパイプトップで、どっぷりナジませる釣りに徹するつもりらしい。
あちこち見て回っていたので打ち出しは7時を回っていた。
すぐに反応が現れるもののワタカ。だが入れ掛かりにならないだけ、まだマシか。
7時46分、倒れスギを挟んで上流側に入っていた常連が竿を曲げる。ワタカとはあきらかに異なる強引に、吉田も思わず手を止める。
「デカそうですね」
「そうでもないですねぇ。ここではレギュラーサイズでしょう」
上がってきたのは41cmだったが、それでもうらやましそうな吉田。それより何よりその人のウキ下だ。タナは3本ほどで竿も16尺だと言うではないか。
「オレ、何やってるんすかね(涙)」
すかさず竿を16.5尺と短くしタナも3本に変更して再開。わずか1尺強浅くなっただけだが、ワタカのアタリが出にくいことに驚かされる。ヘラが近くにいるからか?
ところが待てど暮らせどアタリはなく、ようやく竿が曲がったのは9時45分過ぎ。しかしレギュラーサイズとはほど遠い尺1寸弱。そういえば先ほど41cmを釣った常連も、その後は小ベラに悩まされていた。やはりこのサイズが寄ってしまうと大型は厳しいということか。
深いタナを狙う
数枚の小ベラに遊んでもらった吉田。ここで意を決して竿を21尺の伸ばし、再度深いタナを狙ってみると言う。時刻は11時半。
しかし深いタナはどうもよくない。触りが少なく出てもいきなりアタリのワタカ。不思議とコイはこないが本命も姿を見せず、底なし沼のような深い迷路にハマる吉田。時刻はすでに14時を回る。帰着時間を考慮すると残された時間は2時間強ほどか。
「こうなったらイチかバチかですね!」
21尺竿を置いたまま、ロッドケースから取りだしたのは24尺竿。
「昨日は手を出さなかった領域ですから」
確かに24尺チョウチンは試していないが、果たしてそんな深いタナに大型はいるのだろうか。だがやらないで後悔するより、やって豪快に散ったほうが吉田らしい。
しかしさすがに24尺ともなるとコイがイタズラをしてくる。特徴は落ち込みアタリで、いきなり消し込む。だがコイのあとにはヘラがくることもあるので油断は大敵。
道糸をつかんでハリスを切れればこれ幸い。しかし、そのまま引きずり込まれて立ち木にでも巻かれたら正体を見ずに終わるので悔いが残る。まあ、引きの感じで大方は想像がつくのだが。
16時30分、最後の一投がまさにそれ。落ち込みではなかったが、ナジんですぐの消し込みにアワせると、一度も竿が立たないままラインが巻かれジ・エンド。竿を何とかたぐり寄せてラインをつかんで引いたら高切れを起こして仕掛けごと切れてしまった。
「最後はあっけない幕切れでした。コイがきてたのでもしかしたらと思いましたが、結局コイだけで終わってしまいました。残念です」
こうして吉田の大型チャレンジは幕を下ろす。日並みだよ、濁りのせいだよと言い訳は何とでもできるが大の大人が二日も竿を振ってオデコとは情けない。この借りはぜひ次の企画で返してみせてほしい。
と言うわけで次回のテーマは「野田幸手園で道場破り」です(笑)。
※取材協力 亀山水産センター
<週刊へらニュース編集部・関口/TSURINEWS編>
亀山湖