暑い季節がやって来た。毎年この時期になると、人々は寒かった季節から解放されたように、室内から屋外へ活動の場を広げる。いろいろ新しいレジャーがあるなか、身近で手ごろな遊びとしてサーフからのキス釣りがある。今回執筆依頼をいただいたが、私もまだまだ未熟で教えられる立場ではないように感じているが、私の経験や知識の話すことで、読んでいただいた人のステップアップにつながればと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 横山准司)
ミチイトに関して
ミチイトの素材は、現在PEラインが主流だ。PEラインは細い繊維を編み込み、ブレイドというイトを形成しブレイド同士を編み込むことで形成している。最近の主流は4本編みだが、8本編みのラインもある。表面が滑らかになるので、飛距離に対し多少なりとも有利なことは間違いない。
太さは0.8号、0.6号、0.5号、0.4号、0.3号、0.2号など。最近は0.6号が多いのではと思う。いざと言うときの遠投のために、細いミチイトを巻いたスプールを用意しておくと便利だ。
チカライトに関して
PEラインのミチイトが出てきたことで、チカライトも同様にPEラインの素材を使用したチカライトが出てきた。チカライトもメーカーによって長さが違ったり、太さが違ったりする。オモリ負荷に対する保険でもあるので、慎重に選択したい。
チカライトは、サオの長さの2倍以上は必要とされる。遠投する場合、オモリも垂らす長さが必要になるので、その分を考慮すると10mほどあれば十分だろう。市販されているのは10m以上あるので、長さとしては特に問題ない。
購入時は、使用するミチイトの太さに近いテーパーラインを選ぶと、結び目を小さくできてトップガイドへの負荷も軽減できる。オモリ側の太さは6号は必要で、細いと遠投時の衝撃で切れることがあるの、強度の高いイトを選択しよう。
テンビンに関して
テンビンは、キスを釣る上で重量な役割を果たしている。遊動タイプと固定タイプがあり、一概にどちらが良いとは言いがたい。それぞれの機能をよく理解した上で使いたい。
遊動や半遊動はキスがアタックしてきたとき、自由度があるのでアタリが伝わりやすい。しかしキャスト時に、仕掛けとテンビンに自由度があるので重心がブレやすく、安定した飛行を保つことが難しくなり、飛距離に関しては不利となる。
固定型は、オモリとテンビンが一体になっているので飛行中のブレが軽減され、安定した飛行を続けることができる。ここ一番の遠投を意識したときは、固定型に使うと飛距離をアップすることが可能となる。また固定型を使う理由は、やはり飛行中の空気抵抗だ。キス釣りをしていて、風のない日は少ない。その影響をできるだけ少なくすることで、飛距離を伸ばすことが可能となる。
私はポイントが遠いときや向かい風のときは、固定テンビンに替えてキャストしている。ただし感度は落ちるので、アタリを楽しんで釣るときはあまり使わない。
オモリに関して
オモリの種類は豊富だ。大きく分類すると、ムクと有浮力の2種類だ。フロートタイプは近くのキスを釣るときやポイントを探すときに役立つ。浮力があるので、海底を引きずるときの抵抗が小さくなり、海底の形状を調べるときにも有効だ。
しかし空気抵抗は大きくなるため、ここ一番の遠投には適さない。固定テンビンはムクのオモリで作られており、同じ号数でも体積が小さくなると同時に空気抵抗も小さくなり、結果として飛距離アップにつながる。また、最近はチタン合金を使用したオモリもある。比重が大きいので、普通の鉛よりも小さく、空気抵抗が小さくなり飛距離を伸ばすことができる。高価だが、隠しアイテムとして1本は準備しておきたい。
仕掛けについて
少しでも飛距離を伸ばしたい場合、仕掛けの長さが影響してくる。仕掛け自体は細いので、抵抗は少ないように思われがちだが、長距離を飛ぶ間にテンビンを含めた仕掛け全体が揺れてしまい、飛距離低下につながってしまう。
少しでも距離を伸ばすためには、ハリ数を減らして仕掛け全体の長さを短くし、空気抵抗と仕掛け全体のバランスを良くすることが大事だ。砂ズリを外し、仕掛けをテンビンに直結しハリ数を少なくして空気抵抗とバランスを良くすることで、飛距離を1mでも伸ばすことが可能となる。
今回は少しでも飛距離を伸ばす方法について執筆させていただいた。年齢とともに体力が低下してくるので、体力だけに頼っても限界がきてしまう。飛距離を伸ばす秘けつの1つは、フォームをしっかり身に付けることだ。運動を兼ねるつもりで、チャレンジしてみてみるのもいいと思う。
<週刊つりニュース中部版 横山准司/TSURINEWS編>