メバルは独特のニオイがある魚だ。根魚が全般そうであるし、そんなことをいえば魚すべてがにおうわけだが、湾奥居着きの個体となると、どんな魚でも多少ニオイが気になる。ただこれはまったく処置なしのものではなく、ちょっとした工夫でニオイはとることができる。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
湾奥居着き×根魚の「ニオイ」
いやー、舐められたものではない、湾奥居着きの魚のニオイ。シーバスやチヌなどは調理の際にどう食べるかよりも「どうニオイを消すか」、そして食べる際にも「ニオイは果たしてないか?」というくらいのもの。そちらがテーマになってしまうので、個人的にはアレ。
しかしメバルに関してはそんなことはない。汚染されつくした海には着かないというのもあるだろうし、夏になると沖に潜る性質があること、また捕食するものはそこまでにおう類でないことから、守(も)りと調理に気をつければ、大阪湾奥のような水質がアレな海の個体でも、おいしく食すことができる。
ニオイ消しにモノを言うのは、現場での血抜きと、捌くときの2つのアイテムだ。
ニオイはどう消す?
居着きのメバルのニオイの元は、3つものである。「血」と「ワタ」と「皮」だ。「血」は釣ったあとに野締め状態にすると、身に移ってしまうことから、臭くなる。ワタはもともと臭く、死んで腐敗が進むと身に移る。皮には水のニオイがつく。
よってこの3つをどう処理するか、である。
血は釣り場で血抜きする
処置がもっとも簡単なのは血だ。ハサミかナイフで喉を切って、水に浸けてやればいい。
私の知る限り陸っぱりのすべての魚がそうだが、血抜きせずに野締め状態でクーラーに入れると身が固くなってしまう。いわゆる死後硬直だ。死後硬直は実は数時間すると解けるのだが(ちなみに人間もそうらしい・・・)、硬直する前に血を抜いてやらないといけない。死んで心臓のポンプが止まっている状態で喉を切っても、血が流れない。だから身に血の味が移る。
ワタは帰宅後に処置
気合いを入れればワタ(内臓)の処置も釣り場でできないことはないが、できれば水をかけながらやった方がいいので、自宅でやろう。
ワタ抜きはエラを掴んで、引っ張り出すだけ。その際、身についた血合い(血抜きしききれなかった血の塊)も取ってやるとなお良い。
皮の処理は水でウロコ取りしながら
何よりも魚を釣って厄介なのはウロコ取りだが、専用の道具があれば比較的ラク。皮のニオイが強いメバルは早めに処置したい。水を流しながらざっーと取ってやればいい。メバルは小さなウロコが多い魚で、頭や顎周りにもついているので、そのあたりも丁寧にいこう。