富山湾の船アカムツ釣りで本格シーズンの到来を予感させる今期最高船中釣果54匹を記録した釣行をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)
周年楽しめる富山湾アカムツ釣り
富山湾のアカムツ釣りは、船釣りで季節を問わず周年楽しむことができるが、風物詩でもあるホタルイカが大量に沸く春の時期は、自然界にごちそうが豊富なせいか、釣りではアカムツの喰いが落ちるともいわれる。
その後、春から夏に季節が移ろいホタルイカが深場に戻る頃になるとアカムツの活性が回復し、本格的なアカムツ釣りシーズンが幕を開ける。
強神丸に乗船
5月下旬。筆者は釣友・寺さんとともに2日間連続で富山新湊マリーナの強神丸にお世話になった。強神丸は今西船長ご夫妻が営み、操船を船長が担当し、奥様が中乗りとサポートをつとめる。
「楽しい船釣り」を信条とし、ことアカムツ釣りにおいては全員安打とつ抜け(1人で二桁以上の釣果の意)の多い遊漁船として定評がある。船名のイメージとは正反対にほんとにアットホームで和気あいあいとした遊漁船でもある。ビギナーにはアカムツ釣りの基本を嫌味なくアドバイスしてくれるし、トイレも清潔感があり初心者や女性でも気持ちよく利用しやすい。
強神丸のアカムツ釣りは4時間のショート便から10時間のどっぷり便まであり、基本的には最初の予約者の希望が尊重される。今回は2日間とも10時間のどっぷり便だ。のべ20時間、まさにどっぷりアカムツ釣りにハマってみた。仕事や勉強ならとても我慢できない長さの拘束時間だが釣りだと苦にならないのは「釣りバカあるある」か。
ポイントと仕掛け
強神丸が攻めるポイントは水深約100mから150m。仕掛けは2本針タイプの胴突き仕掛けが主流だ。筆者も2本針で臨む。詳しい説明は割愛するが3本針よりも2本針の方がメリットが多いように思う。アカムツの釣果は圧倒的に下針が占める。
オモリは船指定の100号で統一。勝手な号数変更はオマツリ必至なので避けたい。ポイントの海底は主に砂泥地なので根掛りの心配は少ないが、タチウオやサゴシなどにラインを切られてオモリをロストすることがあるので何個か用意しておきたい。
やや渋めの初日
2日間ともコンディションはべた凪で微風の心地よい天候ながら、数日前までの山間部での雨の影響か雪解け水が河川から湾内に流入しているせいか、海域の表層は濁りがきつい。
初日はやや渋めながらも朝からポツポツとアカムツが上がり、終わってみれば船中8名全員安打。船中合計30匹の釣果となった。筆者も寺さんも本命キャッチでひと安心。筆者は4匹、寺さんは1匹。
今期最高の船中釣果となった2日目
2日目。朝方はアタリがなく、アカムツがなかなか顔を見せてくれない展開で初日よりも厳しいスタートとなった。筆者は仕掛けや餌など変えて色々試してみるがしばらくはアタリすらない。そんな渋い状況のなか、船長が「こういう喰いが悪いときは仕掛けもエサもシンプルにしてみてくださいね」とアナウンス。
この言葉を手掛かりに、筆者はそれまでのホタルイカとサバの切り身の抱き合わせにしていた付け餌をホタルイカの壺抜き(ホタルイカの外套を外しゲソと肝だけにすること)だけに変更してみた。その後ようやくアタリがあり、前日よりもかなり遅めのうれしいファーストアカムツをキャッチできた。「はい、本命上がりました。おめでとうございます」と船長の祝福のアナウンスが耳に心地よい。
3連続ダブルも
10時頃からは船中でアタリが急増。船長のアドバイス効果か、ポイント移動が当たったのか、時合なのか。筆者と寺さんには怒涛の3連続ダブルヒットもあったほどだ。
こんなときでも、船長と奥様が手分けして手際よくタモ入れしてくれるのでアングラーは竿を手持ちのまま高く巻き上げるだけでよく、そのおかげで取り込み時のバラシが圧倒的に少ない。時合いは正午くらいまで2時間ほど続き、筆者はこのタイミングで数を伸ばすことができた。