意外と知らない【カヤックが進むスピード】 速くて楽なのは手漕ぎと足漕ぎどっち?

意外と知らない【カヤックが進むスピード】 速くて楽なのは手漕ぎと足漕ぎどっち?

スイスイと海面をすべるように進むカヤック。しかし、実際にどのくらいのスピードが出ているか知っている方は、意外と少ないのではないでしょうか?今回はフィッシングカヤックのスピードや、速く移動できることのメリットなどを解説します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)

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福永正博

横浜在住。東京湾でカヤックシーバスをメインに、季節や天候により色々な魚を狙っています。読んだ方がワクワクするような記事を目指します!

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船釣り シーカヤック

カヤックのスピード

カヤックを疲れない程度に漕ぐ「巡航速度」は、おおよそ4~5km/h。成人男性が歩く速度と同じくらいです。

全力で漕いで最高速にチャレンジしても、10km/hの壁は厚く、ある程度スピードを重視したデザインのカヤックでやっと届くかどうか。シティサイクル(いわゆるママチャリ)が平均12~15km/hといえば、カヤックがどれだけゆっくりなのかイメージしやすいでしょう。

手漕ぎと足漕ぎ、船体デザインのちがいの差はっても、フィッシングカヤックは決して速い部類の船ではありません。ちなみに、SUPや手漕ぎボートは、カヤックよりもさらにスピードが出づらいため、より慎重な釣行プランが求められます。

ホビーカヤック(足漕ぎ)のスピード

ここで、筆者が愛用するホビー社のカヤックのスピード実測値をご紹介します。計測方法や気象条件による多少の誤差はありますが、参考になるデータといえるでしょう。

ミラージュ・パスポート10.5(全長3.2m/幅86cm)

ホビーのエントリーモデルの「ミラージュ・パスポート10.5」(全長3.2m/幅86cm)。筆者の愛艇でもあります。魚探の速度表示機能で測定した数値は以下。

巡航速度:4~4.5km/h
最高速度:7km/h

ミラージュ・パスポート12.0

お次はスタンダードな1人乗りモデルの「ミラージュ・パスポート12.0」(全長3.6m/幅86cm)。女性1人乗り時にGPSスピード計測アプリ使用した数値は以下。

巡航速度:4.1~4.6km/h
最高速度:7.6km/h

ミラージュ・アウトバック

最後は「ミラージュ・アウトバック。(全長3.89m/幅86cm)。安定性と機動性を両立し、カヤックフィッシング用の充実装備が特徴のモデルです。フィンが長く、スピードが出る「ターボフィン」仕様。男性一人乗りでGPSスピード計測アプリ使用した数値は以下。

巡航速度:5km/h
最高速度:10km/h

以上の3艇は、幅は同一ですが、長さと形状が異なります。やはり、カヤックが長くなるほどスピードが出る傾向がありますね。とくにアウトバックは最高速が10km/hに到達!

人力ゆえに疲れてしまうので短時間に限られますが、2馬力ボートに匹敵する速さを発揮しています。

ミラージュ・ドライブとプロペラ式の違い

ホビーカヤックの足漕ぎ装置、ミラージュ・ドライブは前後にフィンが2枚並んだデザインです。そのため、前面から受ける水の抵抗がとても少なく、漕ぐのをやめてもスーっと惰性で進んでいきます。

この点がプロペラ式の足漕ぎ装置とのちがいで、漕いでは休みを繰り返して遠いポイントに向かう場面では、結果いち早く目的地に到着することができます。

意外と知らない【カヤックが進むスピード】 速くて楽なのは手漕ぎと足漕ぎどっち?ミラージュ・ドライブ(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

高機能だからこそ要注意

ここまでお伝えしたカヤックのスピードは、あくまでベタ凪もしくは微風での数字です。条件が悪くなれば、帰着困難のおそれすらあることを念頭においてください。スピードが出るカヤックに乗っていると、ついつい遠くへ行きがちです。

天候の急変

近年は、予測しにくいゲリラ豪雨のような天候の急変も増えています。天気や海況の予報をしっかりと把握するのはもちろんのこと、現場でも常に周囲の状況に気を配りましょう。

安全確保が最優先

5km/hで進むカヤックが、沖に5km出たら帰りは1時間かかります。向かい風で2.5 km/hしか出なくなると、帰りは2時間かかります。

そんなに長い時間漕ぎ続けられるか?さらに風が強くなったら?と自分に問いかけて、安全マージンを確保できる距離以上は沖に出ないことが重要ですね。

もし、海難事故になると、カヤックの出艇禁止や釣り場への立入禁止などにつながってしまいます。じゅうぶんに気をつけて楽しみましょう。

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