「釣具ってどんな場所で誰が作っているの?」釣り人なら一度は思ったことがあるのではないでしょうか?今回は、フカセ釣り大好きの筆者が愛するウキメーカー"キザクラ"の工場へ潜入。物作りへのこだわりを随所で感じた「大人の工場見学」をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版編集部・立石 寿栄)
キザクラ工房へ工場見学
佐賀県伊万里市に工場を構える「キザクラ工房」。1976年から創業を始め、現在に至るまで釣り人から絶大な支持を集めているメーカーです。
樹脂成形の強みが特徴的で、ウキはもちろんのこと、ハリケースやエギのアイテム展開もしています。今回は、草野社長と担当の金子さんにお話を伺うことができました。
樹脂成形の理由
ウキは桐などの木材を原料として製作するのが主流ですが、樹脂ボディにこだわる理由を聞いてみると、「高強度で吸水しないから木製よりも品質が高く作れる。均一な素材だから製品1個ごとのばらつきも極力抑えることができる」とのこと(浮力設定はキザクラ独自の信念で設定)。
実は私自身もウキを自作していることをお伝えしたところ、こんなアドバイスをいただきました。
「ウキ作りはとてもシビアな世界で、塗装時に何回ハケを通すか(塗料の厚み)だけでも仕上がりの浮力が変わってきます。大量生産しないことを前提に桐材を素材にするのであれば、小型旋盤を使用し、ハケ塗りよりエアーブラシを使った方が塗膜の均一化が図れるので良いと思います。」
過去に木材での制作をされていたそうで、プロのアドバイスをいただき、より一層自作ウキへの熱が入りました。
水平ウキ『ZENSOH22Let’s(22レッツ)』
キザクラ製ウキの代名詞ともいえるのが水平ウキです。全層釣法を全国に広めたGTR、そこから改良が加えられた17’GTRが登場したときは、大きな話題となりました。
その7年後、使いやすさに定評があったLet’s(レッツ)が2022年にひと回り大きくなってリニューアル。ZENSOH22Let’s(22レッツ)のイト入り口のディップ(窪み)は、17’GTRから継承していて潮受けが飛躍的に向上。遠投性もよくなって、いままで以上に使いやすくなっています。
全層釣法の醍醐味のひとつである「バチバチ体感ショック」を、誰もが今まで以上に簡単に体感しやくなりました。