多毛類が産卵のために水面直下に浮上してくる、通称「バチ抜け」。このシーズンには、シーバスをはじめ、あらゆる魚がバチ抜けパターンで釣りやすくなる。バチを食べているのは明確なので、ルアーの姿を合わせやすい。今回は、メバルのバチ抜けパターンについて紹介しよう。関西圏では、4月5月くらいからがメバルのバチ抜けシーズンだ。期待したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
バチ抜けとメバルの挙動
メバルはいろんなベイトを追う魚だが、シーズン序盤(11月12月頃)は、都市部ではプランクトンパターンが多い。ベイトフィッシュが多ければそちらを優先して食うだろうが、湾奥では何といってもプランクトンだ。その他ヒイカやエビ、意外なところでは、常夜灯下で落下してくる羽虫も食う。メバルが何を食うかは、場所性もあるだろうが、主には食いやすいものを食うと考えるといいだろう。プランクトンは特に遊泳力が少なくて食べやすい。
その次に、うかつにも水面に浮上して格好の食い物となってくれる、バチというところだろう。よって、バチは、厳冬期を抜けて「そろそろ何か食うか」と活性が上がってくるメバルの最高のベイトになる。基本的には海底が砂地になった海にわきやすいバチだが、都市部の常夜灯下にもうじゃうじゃわいたりする。光量が多い海にわくので、満月周りであれば、真っ暗闇のポイントのオープンや足元にも、バチ抜けメバルの可能性がある。
ポイントと狙うレンジ
ポイントは難しく考えることはない。光量の多いところだ。常夜灯下、その周辺、あるいは近くの商業施設などから海に光が当たるところ。小さなバチがわいていて、ベイトをとりあうシーバスが棲み分けられている場所は、一級ポイントといっていいだろう。潮は満月周りの大潮。キーレンジは、なんといっても「表層」。時間は日没後1時間からスタート。これくらいの条件を覚えておけば、必ずひとつやふたつは獲れるはずだ。
ワームは表層を意識して
バチ抜けメバルでは、ワームは二の手的に投入する。バチは表層にわくので、基本的には表層がトレースしやすいプラグがやりやすい。ワームは、「沈みバチ」のきらいがあるときに投入する。沈みバチとは、その名の通り沈んだバチのことで、あまり光量がないポイントでバチが沈んでいると思われるときだ。曇り満月などでも、バチは沈みがちになる。そういう条件では、ジグヘッドウェイトとワームでレンジを意識して攻めてみよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>