バチ抜け(多毛類の産卵にともなう増殖・水面への浮上)がはじまる春。この時期はシーバスがとくに釣れやすいことで有名だが、そのほかにも湾奥ならばチヌ、またメバルやアジも同様のベイトを捕食するため、反応がよくなる。この4魚種を、同日に、ワンタックルでコンプリートすることはできるのだろうか?筆者は3種までしか経験がないが、その術を考えてみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
欲張りになるバチ抜けの春
春になってじわじわと海水温が上がりはじめると、狙える魚種が多くなる。もっとも簡単に釣れてくれるのはメバルだが、回遊があれば産卵前のアジもよい。
そしてバチ抜けのポイントでは、シーバスが釣れやすくなる。チヌもそうだ。唯一、厄介なのはボラだが……。
ワンタックルで多魚種狙い
よい潮に当たれば、本当にポンポンと釣れてくれるので、「今バチ抜けで反応している魚、すべてワンタックルで仕留められないか?」……、はたと思うときがある。
私の場合は、ツータックル携行があまり好きでないので、余計ワンタックルの部分にこだわりたくなる。せっかくの春だ。海の状況がよいときには、欲張ってもいい。
では、実際、ワンタックルでアジ・メバル・シーバス・チヌのバチ抜け4魚種コンプリートは可能だろうか?
ワンタックルでコンプリート目指す
筆者の経験ではチヌ、シーバス、メバルはメバリングタックルで釣ったことがある。
ルアーはすべて、メバルのバチ抜けのプラグ。それも同じポイント、汽水域のやや海側といったところだ。
前提としてメバルだけは汽水域に入りにくいので、ポイント選びは注意したい。
これらの魚種のうちでも、厄介なのはアジではないかと思う。春のアジは回遊にムラがあるし、専用タックルでないと狙いにくい。
巻きパターンや、アジのバチ抜けパターンに慣れているアングラーならば難なく釣れるかもしれないが、とくに最近は都市部ではアジングにアゲインストな状況が重なっているので、アジだけは曲者と考えた方がいい。
メバリングタックルで挑戦
フィネスのアングラーならば、この4魚種コンプリートには、メバリングタックルをオススメしたい。
アジが釣れやすいのはアジングタックルだが、わざわざエステルラインでシーバスやチヌと戦うのはナンセンスなので、アジの釣り難さを考慮しても、PEライン運用が前提のメバリングタックルでいきたい。
メバリングタックルでは、バチ抜けした場所でバチ抜けのプラグを使えば、ほとんどオートマティックにメバルとシーバスが釣れてしまう。とくにクルクルバチが多いバチ抜け序盤はシーバスもちょろいものだ。
チヌがワームでも狙える
では、チヌとアジはどうするか?基本的にシーバスがいるようなポイントには、チヌもついている。
この時期のチヌは、バチをメインベイトとするので同じプラグで狙えばいい。ただ、若干レンジが沈み気味になるので、ワーミングで狙うのも手かもしれない。
アジはサビキで狙う
さて、問題のアジだ。といって、別に簡単に釣れてしまう地域もあるだろうけれど。
メバリングタックルでアジングするのはむずかしいので、夕刻の時合いのウルトラライトショアジギサビキなどを活用するといいだろう。サビキをつけることで、かなりヒット率が上がる。