「ここは釣れない」。激浅で流れがなくて、さらにはデイゲーム……。シーバスフィッシングにとってマイナス要素だらけの「ドブ川」でも実は魚は釣れる。しかも大型が。半信半疑の方は記事を読んでみてほしい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
シーバスは昼でも釣れる
シーバスは昼間でも釣れる。これはもはやセオリーたが、やはり夜の方が釣りやすいのも確か。「何をいまさら……」そんな声が聞こえてきそうだが、そうなるとナイトゲームが主体で、デイゲームは様子見ってことになる。
足場やベイト、ルアーの動き等々、確認作業になりかねない。それらは決して無駄ではないが、ウェーディングなどをするならともかく陸っぱりではもったいないと筆者は思う。
釣れない条件で釣ってみる
アングラーは自由に釣りの時間を選べない方が多い。そこでシーバスフィッシングをもっと身近に考えられないだろうか?もっと近場で、短時間で、ポイントを見る眼さえあれば60cmオーバーのシーバスを数釣れる場所があるのではないか?
今回は筆者の地元千葉で、あえて「釣れない」と思われる条件下で60cmを超えるシーバスを数釣れないか?狙ってみた。釣り方ではなく、ポイントの見極めを中心に考察してみたい。
ドブ川で釣る
多少薄曇りではあるが、お昼過ぎのド日中。3月中旬、この日の潮回りは中潮。バチシーズンならこのまま夜もやりたい所だが、あいにく千葉の小河川のバチ抜けは落ち着いてしまった。
代わりにハクやイナッコが暗躍している。場所は筆者の自宅からほど近い小河川。潮が引くとヘドロの干潟と共に恐ろしい臭いが立ち込める小河川、いわゆる「ドブ川」だ。しかもこの日は日中が干潮で、普通なら釣りにならない。写真を見て想像してほしい。
こんなところでシーバスが?デイゲームで?そう思うだろう。だが、ポイントによってはデイゲームの方が釣りやすいし、逆に潮が引いていないと釣れない。そんな場所もあるのだ。そんなマッドな場所を中心にご紹介しよう。
ベイトに注目
デイゲーム、潮が流れない、超激浅。まるで池のような場所が小河川にはある。シーバスゲームにおいては負の要素しかないが、この条件下でしか釣れない魚もいる。そしてその釣りを成立させているのが、豊富なベイトだ。
イナッコ、ハク、カニ、ボウフラ類、イソメ類と上げたらキリがない。人間が不潔だと思う場所こそ好んで生活する生き物がいることを忘れてはならない。そして、生物が集まれば自ずとそれを狙う大型のフィッシュイーターも集まるのだ
地形に注目
次に具体的にどのような場所を狙うのか?川が干上がっても何らかの原因で周りより少し深い場所が存在する。そんな場所。
とは言っても深くても1m前後だ。それとヘドロのある砂泥底だが、有明海のような場所ではなく、鳥の糞や生活排水、その他もろもろが長い年月をかけて作り上げた腐敗臭漂う砂泥底。そして、岩やゴミなどで形成された障害物があるような場所。これらがミックスされた、いわゆる複雑なドブ川だ。
魚やカニ、イソメ類などはこんなところを好む。信じ難いが、カワセミなどもやって来る。潮が引いて干上がると、小魚などは行き場を失う。すると水のある深場に移動するのたが、そこを待ち構えているのがシーバスなのだ。
こういった場所は、浅場から深場になる境目、つまりカケアガリに必ずシーバスがいる。水深で言えば30cm前後だが、ベイトを食べるためには普通に入り込むのがシーバスだ。根掛かりも多いのでフローティングミノーしか使えないが、何度狙っても釣れる。根掛かりも多く、地形的に複雑な場所は釣りにくいが、攻略出来れば良い釣りが出来る。そして良型が多い。
60cm級が数釣れる
地形が複雑でベイトが豊富なら、どんなに汚くても、どんなに浅くても適度な水さえあればシーバスは必ず釣れると筆者は思う。この日の釣りも60cmオーバーを数匹仕留めた。根掛かりが多く、足場も狭いので、バラした魚も多い。そして潮が引く潮回りならいつ行っても60cm級が遊んでくれる。