どの釣りでもほぼ必須といえるオモリ。渓流エサ釣りでも「エサを自然に流す」ために、非常に重要な役割を果たしているのだが、「どのように使い分ければいいの?」と悩む方も多いのではないだろうか。今回は、著者が考える渓流エサ釣りのオモリワークについて解説していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
エサによる使い分け
ポイントごとの使い分け方を覚えたら、次はエサの重さ(比重)を理解しておきたい。渓流エサ釣りでは、時期によって様々なエサを使用することになるのだが、状況によるエサの使い分けについては、著者が書いた記事を参考にしてほしい。ここでは、エサとオモリのバランスについて見ていこう。
イクラ
解禁直後によく使用されるポピュラーなエサ。イクラそのものに結構な重さがある上、水にしっかりと沈むので、川虫を使用する時よりも1~2ランク軽いオモリを使用することが多い。
キンパク
川虫の代表格ともいえるキンパクは、水に沈みやすいものの非常に軽いエサ。釣りエサとなるのは羽化直前の1.5cm~2cm程度のものだ。先ほどポイントごとに紹介したオモリの号数は、キンパクを基準に書いているので参考にしてみてほしい。
ヒラタ
柔らかく食い込みの良いエサであるヒラタ(ナデムシやヒラコとも呼ぶ)は軽くて薄っぺらいため、水の抵抗を非常に受けやすい。そのため、オモリはキンパクの時よりも1ランク重いものにすると仕掛けを操作しやすくなるが、その軽さを利用して吹き上がるように流してみるのもアリだ。
クロカワムシ
澄んだ水の時や支流ではあまり使われないクロカワムシは、5・6月の本流で使うとよく釣れる。4cmを超えるサイズもいるが、2~3cm程度の物が扱いやすい。結構な重さがあってしっかり水に沈むので、オモリのサイズはイクラの時と同じように考えると良い。
オニチョロ・ミミズ
この2種は他のエサと比べてサイズが大きく、水にも沈むものの、どちらも水の抵抗を受けやすい。そのため、流れが強い場合は浅いポイントでもやや重めのオモリを使用する。逆に流れが弱いなら、やや深いポイントでも軽いオモリで扱うことができる。
ブドウムシ
水量が少ない時や曇天時、夏場に効果を発揮するのがブドウムシ。軽い上に水に浮くため、頭上に木がある場所で、ごく軽いオモリ(時にノーシンカー)で水面近くを狙うと面白い。もしくは、重めのオモリを使用し、流心の流れに巻き込むようにして流すのも良い。
バッタなどの昆虫
夏場以降、渓魚は落下昆虫を積極的に捕食する。この性質を利用して、現地で採集したバッタなどを使用するとよく釣れるのだが、落下昆虫は水面に浮くため、軽めのオモリで水面付近を狙うと良い。
細やかなオモリワークを心がけよう
初心者ほど、一度組んだ仕掛けをそのまま使用してしまうことが多い。だが、渓流は自然が作り出した場所のため、同じポイントというのは何処にもなく、唯一無二のものばかり。大雨で地形が変わることも多々ある。
そんな場所に対応するために、オモリを細やかに使い分けることで、より釣果を伸ばすことができる。明日からチャレンジできるこのオモリワーク、是非現地で実践してみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>