整備士に聞く【釣車と長くつきあうためのコツ】 長距離走行&潮風への対策とは?

整備士に聞く【釣車と長くつきあうためのコツ】 長距離走行&潮風への対策とは?

私の釣車の走行距離は10万kmをゆうに超えました。しかし、まだまだ愛情が消えないため、もうしばらくは海への長旅につきあってもらうつもりです。そこで、今回は「これからの愛車とのつきあい方」を、釣車の整備でいつもお世話になっている整備士さんに聞いてきました。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松永一幸)

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松永 一幸【上天草市公式釣り人】

【上天草市公式釣り人】ルアー・フィッシングが大好きな磯釣り師です。「釣果」より、「思い出に残る」釣りの探究に努めています。

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潮風や海水の影響を受けやすい箇所

つづけて、海辺で潮風や海水の影響が受けやすい箇所を紹介していきます。

足回り(サスペンション等)のブーツ類

潮風や海水の影響というと、錆ばかりに目が行きがちですが、ここで注視してほしいのが、足回りの「ブーツ類」になります。

「ブーツ類」は、ゴム製品のパーツなので、塩分の影響が出やすい箇所になります。点検は、オイル交換時に車輌をリフトアップしたときに、一緒に確認するのがお勧めです。「破れ」・「変形」・「グリス漏れ」などの症状は、早期発見が最大の予防策になります。

また、ブーツ類は車検の際に、「亀裂でグリスが出ていない状態」なら、車検をパスすることが可能なため、「車検したあとだから大丈夫!」と安心するのは軽率です。

見落としたブーツの亀裂から、グリスが流出してしまい、さらにブーツ自体の破れに発展。その破れから異物が侵入すると、ボールジョイント部に動作不具合をもたらす「ガタ」が発生します。最悪のケースでは、異音を出しながら「破損」してしまうことになりかねません。

とくに、スピード車検を多用されると、絶対的なメンテナンスおよび点検時間が不足した車検という印象を強く感じます。プロの目を疑う訳ではありませんが、車検とメンテナンスを分けて考え、追加で別の日にメンテナンスを依頼するとより安心だと思います。

整備士に聞く【釣車と長くつきあうためのコツ】 長距離走行&潮風への対策とは?「ブーツ類」はオイル交換時に一緒に確認するのがお勧め(提供:TSURINEWSライター松永一幸)

ブレーキ(ローターとパッド)の錆

ブレーキは、潮風の影響が色濃く出るパーツだと考えてください。とくにローターは錆によって、パッドとの当たりが悪くなりパフォーマンスがかなり低下してしまいます。ホイールから見える箇所だけではなく、ローターの裏側は注意が必要です。

ブレーキペダルの踏みしろが変わったときは、とくに注意してください。さらにブレーキから「鳴き」が発生したときは、点検を依頼された方が得策です。点検を怠り、錆の影響に気付かずに、そのまま使用してしまうと、ローターとパッドの交換が必要な事態に発展してしまいます。

日常の車の下廻りのメンテナンスは、小まめな洗車です。相手は「塩分」ですので、高圧洗浄機など活用して、手の届かない箇所も洗い流すことが肝要です。

整備士に聞く【釣車と長くつきあうためのコツ】 長距離走行&潮風への対策とは?車の下廻りのメンテナンスは小まめな洗車(提供:TSURINEWSライター松永一幸)

オフロード走行が多い場合

皆さんは釣り場に向かう道中、悪路走行を余儀無くされて、大きな石を乗り越えなければならない状況になり、タイヤが「ズルッ」と大きく滑った経験はありませんか?

このとき、車体にはハンドルのセンター位置を狂わすほどの、強い負荷がかかり、足廻りに「歪み」が発生している可能性があります。その後の走行中に、ステアリングのフィーリングに「違和感」を感じた場合は、早めの点検をお勧めします。

たとえ「ミリ単位の歪み」でも、速度が速くなるシチュエーションでは、車体に与える影響が大きくなり危険です。違和感のある症状を放置して、そのまま走りつづけると、オルタネーターへ負担がかかり、最悪のケースでは「車輌火災」に発展する恐れもあります。

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