気温の上昇とともに、釣りに出かけようという意欲は湧くものの、釣れないと辛い・・・。そんな方にオススメしたいのが、漁港内で狙う根魚だ。初心者でも、手軽にチャレンジできるこの釣りの魅力を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
厳寒期は根魚釣りの好機
人間にとって辛い冬の寒さは、根魚にとっては繁殖のシーズン。実は厳寒期だからこそ、根魚が釣れる理由が明確に存在するのだ。
産仔後の荒食い
根魚と呼ばれる魚たちの多くは、秋~冬に繁殖期を迎える。秋に交尾を行った雌は、1~3カ月後に卵ではなく稚魚を産むが(産仔と呼ぶ)、これを月に当てはめると12~2月頃に産仔することになる。そして長いものでは、20年ほど生きるとされる根魚は、産仔後に体力を回復するために荒食いをする。その時期がちょうど2月~4月にあたる。まさにこれからが最高のシーズンだ。
波止際に寄ってくる
根魚の一部は沖に出ていく魚もいるが(回遊性のメバルなど)、大抵は産卵の時期になると身を隠せる波止際に寄ってきたり、波止周辺のシモリに居ついたりする。
漁港内は外海と違い水温が安定するうえに外敵が少ないので、根魚が過ごしやすいのだ。
アングラーが少ない
これは至極当然の話だが、寒くなれば当然釣り人の数が減る。ハイシーズンなら大変賑わう一級ポイントでも、真冬なら意外と空いているのだ。当然、人が少なければ魚に巡り合うチャンスは増える。
対象となる魚
漁港内を探り釣りで狙える魚は多くいるが、メインターゲットは以下の3つ。どの魚もおいしい魚だ。
ガシラ
なんでも食べるうえに警戒心が低く、低水温にも強いため、今回のメインターゲットとなる。ガシラは20㎝を超えると、結構な引き味なのでなかなか面白い。上品な白身のため、食味も抜群だ。
ソイの仲間
ガシラに混じって釣れるのがソイの仲間。瀬戸内でよく見かけるのは、タケノコメバル(ベッコウゾイともいう)とムラソイ。ガシラやメバルほどではないが、煮つけでおいしくいただける。タケノコメバルは大型化し、漁港の奥では30cm近い良型が飛び出すこともあるので油断は禁物。
つけエサに生きエビを使用すれば、人気のあるメバルも狙える。ガシラやソイのように底ベッタリではなく、シモリや藻場の少しうえを狙うと元気よく飛びついてくる。