シーバスアングラーが大好きな「バチ抜け」。簡単に説明すると、バチ(イソメやゴカイ類の名称)の産卵行動のこと。今回は、完全に入門者に向けてバチ抜けパターンのルアーシーバス釣りを解説。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
「バチ抜け」とは?
バチ抜けと言う言葉をご存知だろうか?シーバスアングラーならばまず知っているだろうこのキーワード。簡単に説明すると、バチ(イソメやゴカイ類の名称)の産卵行動のことを指します。冬場(1~2月)の潮が大きく動くタイミング、つまり大潮の日などに砂底から大量のイソメやゴカイなどが這い出して水面を漂う。つまり、抜け出す、これを略してバチ抜けと言うのです。
バチ抜けの記事はこの寒い季節になるとメディアで必ず目にしますが、これがなかなか難しい。少し経験があれば、なるほどと理解も早いですが、初心者や初めてバチ抜けの釣りをする方にはハードルが高く感じるのではないでしょうか?
そこで今回は冬のシーバスフィッシングの当たり前、バチ抜けについて、狙い方、釣り方、季節、使用ルアー、の4点に絞り筆者の経験から攻略法をわかりやすく紐解いてみたい。
バチ抜けの季節と釣行タイミング
まず季節ですがこれも色々で、1~2月だったり、年末頃だったり、3~4月だったりと地域や場所によって違うのです。筆者の地元千葉の河川では、2月~3月頃が本番となります。
潮回り
潮回りは必ずしも大潮が狙い目ではなく、本来は大潮の後の中潮、または小潮などがいいとされます。が、これも不思議。全く関係ない潮回りで抜けたりもするし、最高の潮回りでも抜けないなんてこともあります。こればかりはタイミングとしか言いようがないのです。潮回りと抜けるタイミング、できるならポイントを仕事帰りに見て回って、水面を観察して情報収集するのが1番です。
目視できないことも
また、水面にバチが見えなくても底の方で抜けてる場合もあります。目に見えないのでこれがやっかいですが、特に風の強い時などは底で抜けてる可能性があるので、覚えておくと隣の釣り人より釣れるかも?しれませんよ。
シーバスの産卵期
個体差はありますが、シーバスの産卵は主に11~2月と言われています。冬は小魚系のベイトが少なくなりますが、その中で産卵から戻ったシーバスが体力を回復するための重要なイベントがこのバチ抜けなのです。
水温が低く、まだ体力が戻りきっていないシーバスはあまり動き回れません。なので、主な主食は、カニ、エビ、イソメ類などになります。特にイソメ類は遊泳力もなく、簡単に食べられるベイト(エサ)として、真冬のシーバスにはまさに神エサです。そしてそのイソメ類が大量に供給されるバチ抜けは、シーバスにとってまさにパラダイス!シーバスにとってパラダイスは、それを狙う釣り人にとってもパラダイスです。
ベイト(エサ)が少なく、ただでさえ釣りにくいこの季節。しかし、この季節だからこそ狙い目の釣りがあるのです。それこそがバチ抜けの釣りです。
バチ抜け用ルアー
バチ抜け用のルアーは冬場になると釣り具屋さんに沢山並びます。それを見るとどれもこれも個性的。ただの棒状にしか見えないものだったり、クネクネ曲がっていたりと、いつも使うお魚型のルアーとは違います。簡単に書くと、細長くて水に浮かぶルアー(フローティング)が基本となります。要するにイソメに似せたルアーです。
これは何もバチ抜け専用というわけではなく、普通に秋や初夏にも使えます。しかし、真の実力を発揮するのはやはり冬場のバチ抜けシーズンです。
先にも書きましたが、バチ抜けは底の方で行われる場合もあります。あまりに風が強い時などは、水面ではなく底の方で抜ける時もあります。そんな時は、細長くて沈むルアー(シンキング)の出番です。基本の浮くタイプ、もしもの時の沈むタイプ。バチ抜け用に2つのタイプのルアーを用意しておけば安心です。
わからなければ、細見のフローティングミノーをゆっくり巻くだけでもとりあえず大丈夫!状況を見てルアーをセレクトしてみてください。