「釣れましたか?」と聞かれ、つい「潮が悪かったですね……」と回答してしまうことありませんか。釣れた時は「ヒットルアー」や「ヒットパターン」を語るだけで、「潮がよかったですね。」とは言った記憶がありません。そう感じて反省する筆者が、「潮が悪かった」の意味を、フィールドの変化ごとに、解説してまいります。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松永一幸)
前回と同じ潮回りで釣れない
同じ潮回りでも、天候や1ヶ月前の気温など、海に影響を及ぼすファクターは多種多様です。去年大漁だった全く同じ「大潮」で、「満月」の「天候が曇り」、「気温も例年と同じ」なのに釣れない。そんな経験はありませんか?人は、知らないうちに成功パターンに執着するものですよね。しかし、前回の釣果履歴を見て、同じ条件でフィールドに臨むも通用しない。何せ、自然相手です。それも当然の結果と言えます。
上りと下り
同じ「大潮」とタイドグラフに表示してあっても、「大潮」から「中潮」に向かう下り。だったり、その逆の「中潮」から「大潮」へ向かう上りだったりを、知らずに釣行すると、真逆の結果になったりすることもあります。いつものフィールドで、「払い出しの流れが出た時」にアタリが集中する。と、期待して待つも、一向に流れがかわらない。「何故?」と疑問に感じる時が、その「上り」と「下り」の違いだったりします。
ターゲットによっても異なる
「海がいつもより濁っている」、「潮が悪い」と言うのも、一つの正解だと思います。釣行予定日の丁度1週間前にまとまった「雨」が降り、その影響で海に濁りが出て残っている状況では「水潮」になり、「塩分濃度」が下がっていることが考えられます。ですが、この日に「アオリイカ」を狙う人は「潮が悪い」と嫌い、「チヌ」や「スズキ(シーバス)」を狙う人は「潮がいい」と喜ぶことになるでしょう。
また、台風が通過した後は、「海が混ぜられて、潮がよくなっている」と話す釣り人もおられます。狙うターゲットごとで、好む「塩分濃度」が違うため、それぞれの釣り人にも、良し悪しの判断基準がかわります。釣行当日の天候だけでなく、先週の天候も意識をすることが大切です。
波と潮
風の影響で、海の表層が速く流れてしまい、ルアーやウキの動きがつかめず、釣り難くい状況になった時に、「潮が速くなった」と思ったことはないですか?それは「潮」でなく「波」の影響をルアーやウキが受けているのです。勿論、「潮流」と「波」の方向が同じ場合は、「潮が速くなった。」と言っても、あながち間違いではないのでしょう。
ただ、「イトふけ」と「ルアー」の流される方向が「逆」なら、「イトふけ」は「波(風)」の向き、「ルアー」は「潮流」の方向になり、お互いが違う向きになってしまう為、「二枚潮」が発生したことになります。これも「潮が悪い」と言えます。風向きと潮流の方向への意識が大切です。