今回は12月6日に三重県・南伊勢町迫間浦の澤村渡船を訪れ、小物から大物までイカダ五目でじっくり狙ってみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
イカダ五目釣りで多彩に狙う
釣り物が少ない冬だが、温暖化の影響か水温が下がりきることがなく、イカダでもクロダイ師たちを悩ませるエサ取りが元気いっぱいだ。そんなクロダイ師に敬遠されるけれど、実は引きも味もいいターゲットを狙うイカダ五目がテーマ。春や秋が面白いこの釣りだが、実は冬だって熱い釣りなのだ。
今回同行してくれたのは。名古屋市在住のユーチューバーでもある丸山敬太さん。ルアー、エサ問わず、何でもこなす雑食性の若手アングラーだ。
ターゲット
この迫間浦で冬にかけて面白くなるのが、生きた小アジやイワシを使った泳がせ釣りだ。メインターゲットはヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュ、そして青物のワラサだ。特に青物はここ数日、イワシなどのベイトが大量に迫間浦に入り込み、大規模なナブラが発生しているらしい。
そして五目釣りでは、今年大発生しているヘダイ。手のひらサイズから30cm近い良型まで狙えるが、なんといっても数が出るのが魅力。時合いもクソもなく、ダンゴを打てば底がヘダイまみれか?と思うほどアタリを送ってくれるようだ。
そしてアジ。特に冬にイカダで狙えるアジは堤防で釣るより良型が狙える。よって仕掛けはハリスが少し太めのものを使いたい。具体的にはハリは7号、ハリスは1.5号程度がお勧めだ。
当日のプラン
丸山さんと事前に打ち合わせしたところ、当日のプランとして泳がせ釣りでヒラメ、青物狙い。複数本のサオを出して、数打ちゃ当たる作戦。そしてダンゴ釣りとサビキ釣りで、ヘダイとアジを狙っていく。
ここで迷ったのが泳がせ釣りのエサ。まずサビキでエサに適正な大きさのアジが釣れるか、ということだ。現地で調達できれば一番いいが、釣れても大きすぎるとエサには向かない。こればかりは保証がないので、玉城インター下りてすぐのえさきち玉城店で釣り堀用の生きアジを20匹ほど購入して、現地に向かうことにした。
他に用意したものは、サビキ用のアミエビ、さしエサのオキアミ、ダンゴ釣り用のダンゴなど。
まずは泳がせ釣りから
まだ夜が明けきらぬ午前6時すぎ、桟橋を離れていざ出船。2番目に名前が呼ばれて渡ったのは、養殖イケスにつながれたイカダだ。完全に小屋になったトイレが設置してあり、そのトイレが風よけにもなる。
すぐに購入してきたアジをスカリに移し、タックルの準備に取りかかった。
丸山さんがまず用意したのは、泳がせ釣りの仕掛け。シーバスロッドと硬めのエギングロッド2本に胴つき1本バリ。ハリスは6号で1mほど取っている。いわゆる船のヒラメ仕掛けと同じだ。これをイカダの正面と、養殖イケスの際に落とし込む。あとはイトを張ってアタリを待つだけだ。
「かなり深いですよ」と丸山さん。そういえば事前に水深は20mほどあると聞いていた。
次にセットしたのはサビキ仕掛け。まずはエサになる小アジを確保しようと、ハリス0.8号、ハリ5号に重め下カゴをセットし、マルキユーのアミ姫キララを詰めて落としていく。
着底後は大きくサオを振り上げてアミエビをまき、そのまま待つ。釣り方自体は堤防と全く同じだ。
想像に反してアタリなし
だが、すぐに釣れると思っていたアジの反応がない。何度打ち返しても同じ。ここで丸山さんは次に作戦へ。ダンゴを投入することにした。ダンゴの煙幕で、とにかく魚を寄せようというわけだ。
握りこぶし大のダンゴを5個ほど投げ入れ、続けてアミエビを入れたサビキを投入。だが、これにもアタリがない。サビキのハリにオキアミを刺しても、コツリともしないのだ。「本当に魚がいるのか……」と不安になる展開だ。