消耗品である釣りイト。近年は高性能なラインがリリースされており、アングラーの選択肢も増加傾向にあります。しかし高機能、高耐久化に伴い価格も上がっているのも事実です。今回はラインを節約するための術を"PEライン"にフォーカスして書いていきたいと思います。高性能化が進むPEライン。具体的に何が進化しているのでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター川上克利)
PEラインの高性能化
「高性能化」と一言で表現しましたが、具体的にはどのような部分が進化しているのでしょうか?まずは単純な引っ張り強度です。同じ号数のラインでも、一昔前に比べると格段に強度が出るようになりました。様々な釣りにおいて一段細いクラスのラインを使えるようになり、感度や食わせの面で有利になることが増えました。
耐摩耗性能
もう一つの大きな進化が耐摩耗性能です。ラインが根に擦れた際、今までであればラインブレイクしたような場面でもキャッチすることのできる魚が増えました。これは筆者自身が最も強く感じている部分で、一昔前の安価なラインに比べると格段に向上したように思います。
編み込みやコーティングの技術の向上に伴い進化した耐摩耗性能ですが、コーティング技術の進化によってラインの「用途に合わせた最適化チューン」が可能になりました。それぞれの釣りやラインの用途に適した「ハリ」や「抜け感」を表現することができるようになったのです。文字通り、釣果に「直結」する部分ですので、ラインの進化によってキャッチすることができるようになった魚の数は計り知れないと考えています。
PEラインを選ぶ際のポイント
PEラインを選ぶ際のポイントについてですが、まずは「本当に必要な長さを選ぶ」という点が無駄を減らす上で重要なポイントになると考えています。例えばですが、バス釣りにおいて相当特殊なシチュエーションでない限りは150mの長さのメインラインは必要ないと思います。
筆者の場合はバス釣りでPEラインを使用する場合は、基本的に50mほどしか巻きません。スピニングタックルに巻く場合は100mほど巻く場合もあるのですが、ベイトタックルにおいてはスプール回転のレスポンスを向上させるといった意味合いも含めてこの長さに落ち着きました。例外を挙げるとするならば、ヘビキャロやフロッグといった大遠投する必要のある釣りでは100m前後のラインストックは必要かなと感じます。
太さの選び方
また、ラインを購入する際には極端な太さのラインではなく、多くの釣りに使える号数のラインを購入することで一台のリールで多くの釣りに「潰し」が効くようになります。ソルトウォーターでの釣りであれば、PEラインの0.8号なんかがシーバスやライトショアジギングなんかをカバーできるので、最も汎用性に優れているのではないかと思います。
価格と質
ライン購入の際ですが、絶対的に安いラインを選ぶのではなく、本当の意味でのコストパフォーマンスに優れているラインをチョイスすることも大切な部分です。絶対的に安いラインだからといって、クオリティの極端に低いラインを購入するよりも、多少値が張っても長く使うことができるラインがコスパに優れていると考えています。
もちろん意見が分かれる部分でもありますし、個人の経済状況などにも左右される部分ですので、自分自身に合っている選び方をすることも重要になるかと思います。
PEライン節約術1:裏返す
ここからはスプールに巻いたラインを裏返して長く使う方法について解説していきたいと思います。ある程度使い込んだラインをもう1段階長く使うためのテクニックなのですが、寿命が来やすい先端のラインを一番下側に入れかえることで、ほとんど出番のなかった部分のラインを先端に持ってくることができ、新品同様の使用感を取り戻すことができるというものです。巻きかえの作業は複数台のリールを使用すると効率的ですので、ぜひ試してみてください。
このテクニックの注意点ですが、ラインがほとんどない状態で根掛かりした場合に、ダメージの蓄積した部分である一番手元からラインが切れてしまう場合があるという部分です。この点をしっかりと理解した上で活用して頂きたいテクニックになります。
PEライン節約術2:下巻きを有効活用
PEラインを使用する際に必ずといってもいいほど巻いてある下イト。残りのラインが少なくなった場合に、下巻きを多めに取ってその上からラインを巻くことで、実際に使用する部分をPEラインカバーすることができるというテクニックも紹介させて頂きたいと思います。
使用に伴いラインは痩せてきてしまうのですが、新たに下巻きを多めに巻くことで、スプールのライン痩せをカバーすることができます。スピニングリールの場合、スプール痩せという部分は飛距離に直結するので釣果を伸ばすという面でも有効です。また、イトふけなどで想定以上にラインが出た場合でもトラブルなく回収することができるという点も有効です。
注意点としては残りのPEラインが極端に少ない場合は使えないテクニックであることです。キャストの際に下巻きが数十mも引き出されるようであれば、トラブルが起こる前にラインを巻き直すことをオススメします。また、遠投先で根掛かりした場合に下巻きとPEラインの結束部分からラインブレイクする可能性があることも覚えておきましょう。