深場釣り。そのハードルの高さは何といっても「高額な道具」が一番の原因といっても過言ではありません。しかし、知恵を絞れば意外と削減が可能かも。深場釣りにおけるコストカット術を3つのカテゴリーに分けて書いていきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
コストカット術:タックル編
正にこれが深場釣りにおけるハードルの高さの象徴といっていいでしょう。道具を新品で揃えると、サラリーマンの給料1~2ヶ月分が一気に吹き飛んでしまうという、恐ろしい事実が待ち受けています。
特に高額なのがリール。深場釣りで使用するリールは、もはや産業機械のウインチと呼んだ方がいいくらいの代物。値段は安いものでも糸付きで20万円位。上位クラスになると30万以上。もう恐ろしすぎて、新品購入は家族会議の議題にもあげられませんでした。
ライトタックルの活用
釣りをやっているとよく耳にするライトタックル。LTアジ、LTヒラメ等、近年は道具の進化とともに多くの船で利用されるようになってきました。深場釣りについても例外ではなく、まだまだ数は少ないのですが、一部の船宿で針数を少なくすることでOKとしてくれる船宿もあります。
このLTが特に進んでいる相模湾では、レンタルタックルも充実している船宿も多く、私もここで船長の手ほどきを受け、やがてベニアコウの住む千尋の谷へと落ちていきました。
2016年当時、小坪の太郎丸で使用していたレンタルタックルは青物ワンピースロッドにコマンド4という組み合わせ。コマンド4は、PE8号800m巻きというLT深場用として当時ベストセラーであったリール。販売価格も4万円前後で、レバードラグ式であることから、本格深場入門用として最適でした。
残念ながら2022年現在は廃番になっていますが、筆者は廃番になる寸前に、メーカーにオーバーホールを依頼し、今でも相模湾でのキンメ釣りや、マダラ釣り、オキメバル釣り等にてバリバリの現役として使っています。今では新しいラインナップとしてコマンド5があり、10万円前後で購入が可能。この他、ダイワの1000番台、シマノの9000番台がLT深場用としてラインナップされています。
竿に関しては、バットの短い深場専用であればもちろん間違いないのですが、相模湾のキンメ狙いであれば、オモリ250号が背負える、ややオモリ負けする位の青物ロッド(オモリ負荷150~200号)やイカ竿等でも十分釣りは可能。ただし、外房等でアコウを狙う場合は、リールはコマンド4番クラス(針数6以下)で良いとしても、オモリは500号を使うので、それが背負える専用竿が必要となります。
中古品の活用
程度のランクにもよるので100%オススメ、とはいかないのですが、最近の電動リールは意外と頑丈なので、筆者の結論としては、選択肢として大いにアリ。できれば廃番になっていないモデルを購入し、オーバーホールに出しておけば尚可。私のコマンド4は正にこのパターンで、今尚相棒として役立っています。
コストカット術・仕掛け編
以前はキンメやアコウの仕掛けなんて、大型釣具店でもほとんど見かけなかったのですが、最近はよく見かけるようになってきました。しかし、値段はそこそこしてしまいます。仕掛けは消耗品であることを考えると、できればここでもコスト削減を考えたいところ。
そうなると、手っ取り早い方法は自作。特に深場の釣りは100%置き竿の釣りで、工夫する最大のポイントは仕掛けとエサ。実は、深場釣り、着底とアタリさえわかれば、他よりも腕をあまり必要としない釣りなんです(船長との相性は重要!)。というワケでして、仕掛けはコスト削減含め、是非こだわってみたいところ。
掛け枠で作る
掛け枠(治具)で仕掛けを作るって、なかなかハードルが高いかも、って思ってしまうかもしれませんが、慣れると意外と簡単。逆に「これ、よくできてるな」って感心してしまいます。
因みにキンメやアコウ釣りで使う掛け枠は木の部分が50cm、針を掛ける金具の間隔が45cm、糸を巻く金具の間隔が35cmのものが大半。キンメやアコウの仕掛けは大抵ハリス60~70cm、幹間隔140cm。掛け枠を使えば、親子サルカンの位置さえ決めるだけで、定規なしで仕掛けが作れてしまうという優れものです。
糸の結び方も「深海結び」と「外掛け結び」の2点を覚えるだけでOK。
掛け枠は一度買ってしまえば何度も使えるので、投入回数分+α準備しておくといいでしょう。因みに筆者はヤフオクにて格安で購入しました。
大量購入と再利用
部品代を抑えるためには糸は長いもの、親子サルカンや針は大量買いが基本。特に糸はカセ巻きのものを購入すると大きくコストを抑えることが可能です。しかし、ほどくとグシャグシャになってしまうので、手芸店で売っている「かせくり機」が必要になります。私は購入しましましたが、中には自作する方も。更なるコストカット術としてご参考まで。
釣りを終えてぐしゃぐしゃになってしまった仕掛け。面倒くさくなって、つい捨ててしまいたくなりますが、ここで再利用をあきらめてはいけません。100%再生は困難かもしれませんが、深場の仕掛けは大抵太い糸を使っていることから絡みづらく、ハリスさえ切ってしまえば、サルカンで繋がった幹糸は高確率で再生が可能。
オマツリしてしまってどうしようもない時は、サルカンのみを再利用。ハリスもモノによっては次回の予備としての再利用。どちらにしても、持ち帰ったらすぐに水道水で洗って乾かしましょう。