2022年の夏、大阪府岬町の人気の釣り公園「とっとパーク小島」に、カンパチの幼魚シオが大量回遊。釣果を手にして喜ぶ他の釣り人達を尻目に惨敗続きのへっぽこ釣り師が、ようやく37cmのシオを仕留めるまでの3週連続釣行の模様をレポートさせていただきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
大混雑で整理券は84番
このままでは終われないと、8月27日に3回目の釣行を決行したが、入場前に早くも出鼻をくじかれた。前日の23時40分ごろに駐車場に着いたにもかかわらず、既に先客の車で第一駐車場は埋まっていて、第二駐車場に回ることになった。
朝5時前に配られた入場整理券番号は84番。釣り区画の数は171とのことなので、シオが回遊する可能性のある区画に入れないかもしれない苦しい状況。開門前には第三駐車場も埋まり、入場制限間近の大混雑が必至となった。
面白い事に、開門を待つ釣り人達の様子で、釣り人の腕前の差も何となく分かるのが、ここの特徴。入場順の早い整理券を手にした常連たちの多くは大型キャリーカー・大型クーラー・船釣りタックルの3点セットを上手く整理してまとめていて、仕掛けも下準備を済ませているのに対し、入場順の遅い釣り人は手回り品の様子からも、何となく通い慣れていない印象を感じさせる。
奇跡的にいい釣り座を確保
6時に開門すると、新型コロナ対策に力を入れているスタッフが、園内でのマスク着用を呼び掛けつつ、手指の消毒と自動体温測定器の使用を促しながら順に誘導していく。私も84番目に案内され、釣り台まで下りると、幸いなことに先客は大阪方と和歌山方に分散していたほか、混雑回避を最優先したグループもいたおかげで、当初狙っていた和歌山方の先端手前の好釣り座を奇跡的に確保することができた。最終的に、見渡せば釣り台は釣り人で埋め尽くされ、大混雑となった。
ちなみに、マスクは釣り台では適宜外してもよいことになっていたはずだが、大半の釣り人は常時マスクを着け続けていたので、夏の暑い最中ではあったが、私も周りに合わせてマスクを外さずに釣ることにした。
開始早々ヒットも痛恨のバラシ
釣り座を構え準備にかかると、数か所で早くも先客がシオを釣り上げ始めた。魚の活性は高いと心躍らせ、準備完了。アミエビを詰め、全てのサビキバリにアミエビを刺してから。ゆっくりと仕掛けを海中に沈めていく。豆アジのサイズにも満たない小魚が海面に集まって来るが、のませサビキ釣りに必要な大きさの小魚を針に掛けないとシオには出会えない。
手返しを早くしてアミエビを詰め、全てのサビキバリにアミエビを刺すルーティンを面倒がらずに繰り返すこと3回目、海面から6mぐらいのところで小魚がしっかりハリに掛った感触を手にしたので、置き竿にしようと試みた直後、掛けた小魚が暴れるブルブルとした感触が強まると、一気に強い引きがギューンと伝わってきた。ついに時は来た!
ところが魚もしたたかで、釣り台を支える海中の支柱の方向に突っ込み、結局仕掛けが支柱に絡まってジ・エンド。せっかくのヒットを逃してしまったが、悔やんでいる暇はない。即座に仕掛けを総換えして釣りを再開する。
ついに念願のシオをゲット
すると同じような感じで小魚をハリ掛かりさせることに成功。海面から7mほどのタナを想定して置き竿にすると、7時前に竿先が海中に一気に引き込まれた。竿を手にして魚とのやりとりをスタートする。
魚の引きはパワフルながらも、5.4mの磯竿5号の長さと強さが威力を発揮して、手から伝わる魚の引きの感触は翻弄されるほどでもない。ほどなく魚は海面に姿を見せ、体高の高い魚体は本命のシオと判明。狭い釣り座なのでタモ出しは慎重を期したが、上手くタモ入れに成功。3度目の釣行で初めて念願のシオを手にすることができた。
苦労した前2回とは一転して早々に釣果を得て、喜びに浸りたいところだったが、シオへは血抜きのためのエラ刺し〆だけに留め、追釣を優先して釣りを再開した。
近くでは青物をヒットさせた釣り人が2人を巻き込んでのオマツリトラブルが発生。巻き込まれた釣り人は、ライトタックルに軽量プラカゴサビキという組み合わせで置き竿にしていたために仕掛けがコントロールされておらず、仕掛けが潮に流されて生じた面もあったトラブルのようにも思われた。