全国各地でブームとなっているタチウオのテンヤ釣りだが、パターンに合った釣りを展開できるか否かで釣果に差が開く。このため、状況ごとに釣り方とこれに適したロッドを使い分けていくのが今や鉄則だ。今回、アルファタックルフィールドスタッフの和田勝也さんの兵庫県神戸沖での実釣を通し、同社のNEWロッドとともに、釣り方とロッドの選択術について紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井)
乗せ調子ロッドでアプローチ
釣りも後半を迎え船は移動、型狙いのポイントへ。
ここから、和田さんはタチウオに対するアプローチ法を変更。手にしたのは海人(かいじん)タチウオテンヤ 73 200ML。7:3と乗せ調子のこのロッドは、穂先から中ほどにかけての曲がり幅が大きい。このためテンヤが跳ねにくく、大型が好むゆったりしたアクションを演出しやすい。また、曲がり込むことで大型の強い引きを吸収し、バラシを防いでくれる。
和田さんは、スローなワンピッチジャーク+ステイや、ロッドの長さを活かした二段シャクリを駆使し、前半よりひと回り大きなサイズを着々と追加した。
なお、ゆったりした誘いが大型に向くのは食性の云々以外に、派手な動きに反応する好奇心旺盛な若い個体(小型)をけん制する狙いもある。
乗せ調子はビギナーにもオススメ
乗せ調子の本質的な役割は、バイトしてきたタチウオに与える違和感を減らし、自然に食い込ませること。タチウオが違和感を感じなければ、そのまま食い込むか、試し噛みのあとの本アタリに繋がる。
これは、向こうアワセで掛かりやすかったり、次のバイトを得やすいということ。ある意味、ビギナーもフッキングチャンスを得やすい。乗せ調子は食ってくるタチウオに対しても、扱う釣り人に対しても包容力があるのだ。
なお、今回紹介した両モデルとも、ガイドは穂先周辺がFuji LDB、中ほどからバットにかけてはFuji KWガイドを採用し、ラインのガイド絡みが生じにくい。
女性にも扱いやすい
また、細身のグリップでトリガーも小型なので、手の中でロッドを転がしやすい。手の小さな女性でも、リールをパーミングした状態で握りやすいだろう。
巻きの誘いに変え対応
正午を迎えるころ、和田さんはタチウオの嗜好変化の機先を制し、巻きの誘いに切り替えてキャッチのペースを維持した。巻きの最中や止めたとき、グインと穂先が入る瞬間はエキサイティング。曲がり幅の大きい73 200MLの穂先だと、アタリの出方も大胆で明瞭だ。このようなパターンでは乗せ調子が圧倒的に強い。掛け調子ではバイトを弾いてしまうからだ。
ゲームを振り返って
当日も、タチウオのヒットパターンは1日のうちにどんどん変化していった。
シャクリとストップというメリハリの利いた誘いにヒットが集中する時間もあれば、スレてくると派手な動きは警戒し、おとなしい動きや巻きの誘いを好むようにもなった。
また、即アワセさえも通用しにくくなったとき、乗せ調子に変えると素直にフッキングしてくるケースもあった。
「掛け」「乗せ」両調子を、使い分けることが効果的であり、大原則であることをあらためて実感した。