春には全国的に開幕を迎えるタイラバゲーム。好釣果を得るには、ベイトの種類を意識した攻略が欠かせない。今回は、ベイトパターンごとのヘッド、ネクタイなどユニットの編成術を解説したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部)

イカパターン

ここで言うイカとは、主にスルメイカの幼体や若い個体、ホタルイカ。このベイトパターンが存在しない海域もあるが、日本海側では、春から初夏にかけ広い範囲でこれらがメインベイトとなる。
イカの大きさは数cmから20cm前後までと、時期や場所によってまちまち。当然好適なメソッドやタイラバのユニットも異なってくる。
日本海の場合、シーズン序盤の3月から4月下旬ごろまでは、ホタルイカやごく小型のスルメイカがベイトになることが多い。この時期は、100m前後以深のディープを狙うことが多く、外洋性の強いスルメイカや、繁殖のため深海から上がって来たホタルイカがメインベイトになるのも必然だ。
そして、4月の終わりから5月になってくると、水深50~80mでのゲームがメインになり、ベイトも10数cmから20 cm程度のスルメイカが多く絡んでくる。
マダイの動きが活発になる時期ということもあり、このパターンのマダイは釣りやすい。選択的に大型を釣ることができるのもこの時期、この状況だ。
深場捕食時のお勧めユニット

ひとくちにイカパターンと言っても、前述の数cm台のイカを深場で食べている場合と、後述のムギイカの場合でタイラバのユニットの編成は異なる。
深場で捕食している場合は、
・ベイト自体が小さく遊泳力も弱い
・潮の抵抗が大きい深場の釣りになる
・時期的にマダイの動きがまだ不活発
これらの要素が絡んでくるため、ユニットは潮の抵抗を小さくし、シルエットもコンパクトにまとめるのがいい。
スカートの本数を減らし、ストレートや細めのカーリータイプのネクタイを選択するのが基本。比重の重いタングステンヘッドを使うのも有効だ。ワームを付加する場合は、その分ネクタイやスカートのボリュームを落とし、全体の抵抗を小さくまとめるようにする。
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ムギイカ捕食時のユニット
一方、ムギイカ捕食時の場合は、
・ベイト自体にボリュームがあり遊泳力もある
・攻めやすい水深が舞台
・マダイの動きも活発な時期
これらの要素を総合すると、魚が食い渋らない限り、マッチ・ザ・ベイトを再現するにはユニットにボリュームを与えるのが好適だ。
ボリュームと大きな遊泳波動を出すためには、スタンダードから幅広のネクタイ、カーリータイプのネクタイを選択し、アピールを高めるためワームを付加するのも効果が高い。
ただし、何でもかんでもデコレーションすればいいわけではない。ネクタイが大きなカーリーなら追加のワームはストレート、ネクタイ2本(折り返して4本)を組み込むなら、一方をストレートにするか、緩いカーリーどうしの組み合わせにするなど、全体の調和を図ることが大切。アクセサリーどうしが動きを潰し合ったり、引き抵抗が激増して釣りにならなくなるので注意。
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有効なカラー

最後になったが、イカ類がベイトのときは、ヘッドも含めたユニットにグロー(蓄光)を組み込むのが鉄則。イカのボディが白っぽい半透明をしていること、ホタルイカなら発光器官を持っていることなどから、魚も薄ぼんやり光る(白く見える)物体をイカと認識しているからだろう。
また、スルメイカは興奮状態やパニック状態になると、体色を褐色がかったオレンジに変化させる。ゆえに、赤金やオレンジ系も効果的。大半の魚はモノクロでしか物が見えないというが、色の濃淡や明度は認識しており「なんとなくスルメイカっぽい色」を意識していると思われる。