伊勢湾~伊良湖沖のウタセマダイ釣りは、本命のタナを探り当てていく面白さのほか、青物やイシダイなど魅惑の大型美味魚との出会いがある。実釣の様子と共に、釣果アップへの4つの近道を紹介しよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井貴矢)
ウタセマダイ釣りの重要項目
この釣りでは、以下の点が釣果を大きく左右する。
・エビにハリを刺す際はダメージを最小限にとどめる
・潮流を受けたエビが回転しないようハリに刺す
・潮流の速度に合わせた仕掛けの使い分け
・マダイの濃いタナを突き止める
ウタセエビのダメージ軽減
ウタセエビにハリを刺すときは、エビの口からハリ先を入れ、脳や臓器を避けて頭を貫通させ、ツノの付け根付近にわずかにハリ先を出す。エビは非常にデリケートな生物なので作業は迅速に行う。
ちなみに、ハリを刺したあとのエビが「ビチビチと尾を振る」「さかんに足を動かす」これが確認できればコンディションはOK。なお、釣りの最中もエビは弱るので、ボディが赤くなったり白濁してきたら交換しよう。
エビが回転しない刺し方
エビを正面から見て、顔の中心線を通らずにハリが刺さっていると、潮流を受けたエビが回ってしまう。回転すると魚が食わないばかりか、仕掛け絡みが連発して釣りどころでなくなる。そこで、以下に注意。
・正面から見て顔の中心線上にハリを通す
・エビの鼻先の二股になっているハネの間にハリの軸を入れる
・エビのツノの先端がハリの軸と干渉するなら、当たる部分のツノを折る
効果的な仕掛けの使い分け
ハリス1.5~2m、2~3本バリの胴つき仕掛けが使われる。長いハリスは魚に警戒心を与えにくく、ファイト時のクッション性もいい。反面、潮が遅いとたるみやすく、アタリが取りづらい。
また、ハリスが張らないと仕掛け絡みが増え、直すのに時間を取られてしまう。
これらを回避するには、ハリスの長さを状況に合わせて使い分けるのが効果的。潮が速ければ2m程度、遅ければ1.5m、あるいはそれ以下の長さとする。
タナを探り当てる方法
この釣りでは、専用の装置で船長が海中にエビを運んでまき、魚を寄せて釣る。
エサがまかれると、マダイはこれが漂ってくる水深帯に集まる。釣り座にかかわらず使えるタナ探りの方法は以下、
1、リールを巻いて仕掛けの位置を上げ、タナを探り当てる
2、ステイトの長さを調整し、底とハリスの間合いを変える
まず(1)でタナを見つけ、以後は(2)を行って底からハリスまでの距離を固定するのも有効だ。
また、風と潮流の方向にもよるが、大ドモやトモの釣り座となった場合、オモリを軽くして仕掛けを流し、水平方向でもマダイの集結地点を探すことができる。この場合、タナは上記(2)の方法で探り当てる。
ただし、この方法は潮や風の向きによってはオマツリが頻発する。ゆえに、慣れた人どうし隣り合わせた場合か、仕立船の場合に行ってほしい。