ミチイト素材でハゼ釣りの釣況がどうかわるかを検証している。今回は、前回のテストで成績のよかった、フロロカーボンラインとPEラインを、ポイントをかえて様々な状況下で追加テストしてみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)
テスト結果総括
今回の3ポイントでの実釣テストの結果をまとめると、おおむね次のようなことが結論づけられると思う。
1、釣果から考えて、PEとフロロカーボンの、ハゼのミャク釣り用のミチイトとしての性能はともに優れている。
ミャク釣りの場合、通常アンダースローで振り込むので、PEでも絡みなどのトラブルの心配は少ない。
2、アタリ感度重視、とにかく魚信を多く捉えたい場合には、PEが有利。また、やや濁りが入っていて、食い渋っているようなとき、ミチイトにPEを使ってそこにハゼが寄っているかどうかを判断するといった使い方も可能。
3、食い込みを重視した釣り方をするならフロロカーボンが有利、若干イトの伸びがあるのでPEに比べアタリ感度は弱いが、例えば込み潮時、足元で見釣りができるような状況の時は、フロロカーボンとPEのアタリ感度の差はそれほど問題にならず、フロロカーボンの方が数を伸ばせる。
今回のテストの留意点ほか
上げ潮まわりの時間帯を釣っているが、テスト1からテスト2、テスト3となるにつれて潮の動きが緩慢になるので不利な条件になる。また、日没が近づき、仕掛けの取り扱いなども難しくなってくる。
テスト1では最初にフロロカーボン、次にPEで実釣を行い、釣ったハゼの匹数を数えたところ、今回の条件ではフロロカーボンの方が優勢であると思われたので、そのことを考慮し、テスト2、テスト3では、まずPEの方を先行させ、次にフロロカーボンで実釣テストを実施。
そのような状況でのテスト2の釣果からみて、フロロカーボンの方が食い込みで勝っていると判断した。とくに足元がポイントになるような場合は、PEとフロロカーボンの食い込みの差が顕著に表れる。
テスト3は、紀ノ川大堰のすぐ下流側のポイントで、濁りがテスト1、2のポイントよりも強かったことから考えると、アタリを多く出せるPEが食い込みに勝るフロロカーボンよりその効果を発揮できたと考えられる。PEでの実釣時にデキハゼの数が多くなるのは、それだけ小さな魚信を鋭敏にキャッチできる証拠であるといえる。
今回は、フロロカーボンとPEを、条件の異なる3種類のポイントで実釣比較することにより、その特性を鮮明に浮かび上がらせることができたと思う。これからのハゼシーズンの参考にしていただけたら幸いである。仕掛けのリファインについて、さらに改良テストを続行し、面白い結果が出たら、またご報告したいと考えている。
参考までに、今回の実釣テストを通じての釣果は、釣り場の移動時間や仕掛けの変更時間などもすべて含め、ハゼ7~13cmを74匹であった。
<牧野博/TSURINEWSライター>