大阪湾の沖波止の中から、都市近郊でアクセス至便、さらに魚影も濃いと人気の「岸和田一文字」、「泉佐野一文字」を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
岸和田一文字の特徴
岸和田一文字は沖にある沖一文字(正式名称:阪南第2区北防波堤)と旧一文字(正式名称:新西防波堤)の総称で、阪南港港湾計画の中に組み込まれた沖波止である。両波止の特徴は岸和田渡船のホームページと、店舗のPOPに解説が載っているが、主な特徴は以下のとおり。
沖一文字(沖の北)
人工島「ちきりアイランド」の造成が進んでおり、北端の全長700mの垂直ケーソン構造部分が沖一文字(通称「沖の北」)と呼ばれている。船着き場は1か所のみで、水深は10mほど。
外向き(沖向き)は高くなっており、幅も1mぐらいと狭く、海面との高低差は約5mなので安全面には特に注意し、タモ網の柄は6m以上ほしい。所々に外向きに上るための梯子が立てかけてあるが、固定されていないので、上る前には必ず梯子の立て掛け方と脚の接地面を確認して、十分に注意する必要がある。波止際の水深は干満にもよるがおよそ8mから10m。潮流は波止に概ね並行して南北に流れる。
内向き(陸向き)は足場が広く、海面との高低差は約2mなので安全度は高い。内向きの船着き場から少し南側にはオイルフェンスが張られており、そこから南側(人工島根本方向)は潮通しが悪くなっているので、内向きの釣りはオイルフェンスから北側(先端方向)をお勧めしたい。外・内とも手前から沖10mぐらいまでは海底に基礎石が詰まれており海底は粗い。
旧一文字
沖一文字よりも陸側に在する全長1260mの垂直ケーソン構造の沖防波堤で、船着き場は北端の赤灯台から順に2番、3番……と番号を付けて6箇所ある。乗船前に何番で降りるか船長に告げておく必要がある。
沖一文字同様に沖向きは高くなっているが、梯子が少なく内向きとの高低差も大きい。さらに足元も悪いので、沖一文字よりも安全には一層気を配りたい。波止際の水深はおよそ5mまで。潮流は波止に概ね並行して南北に流れる。
内向き(陸向き)は新一文字と同様に足場が広く、海面との高低差は約2mなので安全度も高く、全域で釣りが楽しめる。
外・内とも手前から沖5mぐらいまでは海底に基礎石が詰まれており海底は粗い。近年は人工島の造成が進み旧一文字周辺の海流が影響を受けたようで、旧一文字の釣果は新一文字よりも劣る傾向にあるが、時期や釣り物によっては好釣果が得られ、有名な地元の常連グループも好んで渡る波止でもあるので、またまだ捨て難い釣り場である。
中波止
岸和田漁港と岸和田貯木場を守る垂直ケーソン構造の短い2本の防波堤で、船着き場は各1か所。陸地からは至近距離にある。足場は広く、水深は3mまでと浅い。タモ網は5mあれば十分。
泉佐野一文字の特徴
泉佐野食品コンビナートのすぐ沖に存在する「くの字」の形をした全長約650mの防波堤で、正式名称は阪南港泉佐野沖防波堤。船着き場は北端の灯台(1番)から順に2番、3番……と番号を付けて6箇所ある。なので、乗船前に何番で降りるか船長に告げておくこと。
外向きは高くなっているが、大人であれば自力で上がれる程度の小さな高低差で、外向き・内向きともに足場がよく釣りやすい。タモ網は5mあればいい。水深は3mまでと浅いので、潮通しのいい北端の赤灯台周りと、潮流に変化のある波止がくの字に折れ曲がっている角付近が人気のポイントとなっている。