アジングロッドの穂先(ティップ)には「ソリッド」と「チューブラー」の2種類がある。それぞれの特徴と使い分けについて解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
アジングロッドのティップ仕様
穂先の仕様といえば「中空構造のチューブラー」、これがルアーロッドの基本だった。それが15年くらい前から、ソリッドティップという、穂先が詰まった仕様のものが出て、今では一部の釣りではソリッドティップが主流になっている。
アジングロッドもそうだ。穂先が中空構造のチューブラーティップ、そして中身まで詰まったソリッドティップ。どちらが主流かといえば、おそらく今は7~8割のアングラーが、少なくともジグヘッド単体の釣りにはソリッドティップを使用しているのではないだろうか。
ちなみに、筆者も2本のアジングロッドを所有しているが、どちらもソリッドティップである。バスロッドもソリッドだ。メバルロッドだけは、好みでチューブラーを使っている。
ソリッドティップの特徴
アジングロッドのソリッドティップの特徴は、まず穂先が非常に細いことにある。アジングロッドの全体的な特徴として、サオ先まで非常にシャープで硬めのつくりが今は一般的だが、ソリッドティップは、その穂先の細さから、魚のアタリに対する入り込みが良い。
アジは「吸い込み系のバイト」をする魚である。超低活性時にはトラウトロッドくらいまでサオ先が追従してくれる方がいいのだが、低活性~通常の活性くらいまでは、サオ先は絶妙に硬く按配されていた方がハリ掛かりしやすい。アジのアタリに対し、ちょっと入ったサオ先がすぐに反り返る。すると、ハリがうまくアジの上あごに掛かりやすいのだ。
これが軟らかすぎるサオだと、アジの口の横にハリ掛かりしたりする。こうなると、掛けて寄せてくる途中で、もろいアジの口の皮が破れてしまい、バラシを連発してしまうのだ。
その点、ソリッドティップのロッドには、サオ先が自動的にアジの口のいいところにハリ掛かりさせてくれるラクさがある。
チューブラーティップの特徴
シャキッとしたブランクスをよく「パッツン」と形容されるが、そんなパッツン系アジングロッドの中でも、より張った設計となったものが、穂先がチューブラーとなった仕様のロッドだ。中にはチューブラーでもスローテーパー(胴調子)で曲がりやすいものもあるが、一般的にアジングロッドのチューブラーというと、ほぼ「棒」である。
どちらかというと、チューブラーはエキスパート向けの仕様だ。アジングはエキスパートほど一発でしっかりとアワせる。脊髄反射的なフッキングで、上あごにハリ掛かりを決める。そのためにはロッドの反響感度が命だ。アタリが、よりダイレクトに手元に伝わってくるように穂先を中空構造にして、「カン」というアジのアタリにビシッとアワセを入れる。
見た目には、中空構造となった穂先がソリッドティップを比べると、やや太く見える。
また、多くのアジチューブラーロッドは、大体7gまでのルアーウェイトに対応している。キャロライナリグや、メタルジグを操作しやすいのも、チューブラーロッドに違いない。