多くの人が「釣った魚で鍋をする」ことにあこがれを持っているのではないでしょうか?今回はそんな思いを叶える絶品釣魚鍋「メバルの玉ねぎ鍋」レシピを紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・辻原伸弥)
「伸弥食堂」やってます
どこよりも新鮮な魚を、いち早く味わえるのは釣り人ならではの特権と言えるだろう。釣り上げた直後から頭の中はその魚の調理方法が広がってしまう。
料理好きが高じ、最近ではTV番組「深夜食堂」をパロってFacebookやInstagram等のSNSに「伸弥食堂」と名乗り料理をアップしている。「どこでお店営業されているのですか?」たまに、そんなメッセージを頂くこともある。単なる料理好きなだけなのだが……(笑)。
今回、編集部から鍋料理企画を依頼され「何にしょうか?」と悩んだが、釣り人ならでは鍋ということで、今からシーズンを迎えるメバルと全国的に有名な淡路島の美味しい玉ねぎを使った「メバル鍋」を紹介したい。
メバルは冬の好敵手
北海道南部から九州にかけた沿岸部に分布するメバル。12月~4月ごろはハイシーズンを迎える。全体的に赤みを帯びたアカメバル、やや色の白いシロメバル、胸ビレも黒いクロメバルの3種に分類できる。
陸から船から、エサ釣りからルアーフィッシングまでいろいろなシチュエーションで狙えるメバルは、蛋白であっさりとした旨みを持ち、煮付けが定番だが刺し身や塩焼き、唐揚げと幅広く調理することができる。
釣り場での処理
メバル鍋を食べるには、まずはメバルを釣らなければならない(笑)。しかし、いよいよメバルのヒット率が高くなっていくシーズンとあって、ジグヘッド&ワームを用いて主役のメバルを釣ることはできた。
メバルを落ち着かせる
ここでひとつ質問なのだが、釣り上げた魚はそのままクーラーへ!そんな人はいないだろうか?氷を入れてあるから大丈夫!と言われそうだが……せっかく新鮮なおいしい魚を手にしても、それでは勿体ない!
釣り上げた直後魚は、メバルに限らず興奮状態になりやすく、身にその影響が出やすい。そのため、海水を汲んだバッカンに釣り上げたメバルを放ち、少し時間を置いて興奮状態を落ち着かせることが、おいしく食べるためには大切だと考えている。
締め・血抜き
納竿後にしめる際は脊髄にナイフを入れるのだが、経験とコツが必要。しかし、慣れない間はエラからナイフを入れ背骨をナイフで切断すればいい。そしてこの時もバッカンに海水を汲み、しめたメバルを投入していく。脊髄&動脈をカットすることで、心臓が動いている間血が流れ出て、さらに海水の成分効果から正しい血抜きができる。
締めたメバルをバッカンに投入後5分ぐらい放置し、海水を入れかえまた5分放置する。これを2回ぐらい繰りかえせば、おいしくいただくための現場での血抜き作業はOK!だ。
あとは冬とはいえ車内は暖房で暖かくなるので、しっかり氷を入れたクーラーで冷やして持ち帰ろう。
メバルを捌く
メバルをさばいていく上で気を付けたいのは、鋭い棘と鱗。特に鱗が残ると食べる際にテンションがダダ下がりになるので、丁寧に取り除いておきたい。背ビレ、腹ビレ、エラ蓋の棘に注意しながら、隅々まで鱗を完璧に取り除いていく。最後に水で綺麗に洗い落とし、水気をふき取る。
ここで、マル秘の裏ワザだが、ステンレスのタワシ(新品)を使い、表面をなぜるようにこすれば、周りに鱗が飛び散らず綺麗に取り除くことができる。※衛生面からも必ず新品を使用して頂きたい。
3枚おろし
鱗取りが終われば内蔵とエラを取り出し、身を3枚におろす。そして腹骨を取り除くのだが、この時包丁を寝かせ腹骨に沿ってアイスクリームをスプーンですくうように包丁を入れると綺麗に取り除くことができる。
そして、ちょうど腹骨の付け根部分に横向きに鉤のように曲がった小さな骨があるので「丸骨抜き」を用いて丁寧に除去する。
これで、下ごしらえは完了!
皮はお好みで
根魚は皮と身の間のゼラチン質がおいしいので、皮付きのまま使用する。
食感には好みが分かれると思う。歯応えを楽しみたい方は当日に、軟らかさと旨みを楽しみたい方なら、トレーに水切り板を入れ冷蔵庫で2~3日寝かせるのがいいだろう。
匂いが苦手な方は
魚は住む場所や捕食しているエサにより体臭が少々かわる。魚の特有の匂いが苦手な方が居られるなら、3枚におろした身を皮が上になるようにまな板に並べ、沸騰した湯を皮にかけ、その後に冷水で流せば臭味を落せ、残った鱗も取り除くことができる。
その後、小さなメバルならそのまま、大きなメバルなら一口サイズにカットしておく。