今回はライトゲームで中心に使われる「3.5ノット」と、ショアでもオフショアでも最強レベルの結束「FGノット」でタイムアタック&強度を比べてみた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
3.5ノットとは
とあるメバリングのプロダクターが発明したのが、3.5ノット。リーダーとPE(またはエステル)本線を重ねて、輪をつくり、その中に端線を3回通す。そして最後にPEの端線だけもう一度通して、結束する。余ったイトを切れば完成。シンプルだが強いノットだ。
参考までに言うと、私はこのノットで60cmのマゴチを5分程度かけ、52cmのチヌを15分掛けてどちらもランディングに持ち込めている。もちろんライトゲームのタックルで掛けているのでドラグを滑らせてノットブレイクしないように対処しているが、それにしても15分のチヌの強烈な引きに耐えるくらいの力は見事なものだ。
コツは、「確実に3.5回通すこと」。これがちょっとでも不足したりやりすぎたりすると、途端に強度が落ちる。また結束した後に軽く舐めてさっと締め込んで、やや余りを残してカットして、あとはヒットした魚の引きに締め込んでもらうと、相当な強度が出せる。
FGノットとは
古くからあるPEラインとリーダー結束において、PRノットと同等に最強レベル本線98%の強度を出せるのが、FGノットだ。リーダーに対して本線を編み込んでいくシステムノットで、まず初心者は1時間やってもうまくできない。熟練者でも釣り場で何度も失敗して、「もうそろそろ集中力が切れている、上がりどきだな」と感じることさえある、難しいノットだ。
編みこんでいくには両手を使う。その他にも変則的なノットがあるが、まずは両手でやるという従来の方法で感触をつかんでおきたい。ご覧のようにPEラインを親指と小指に巻きつけて、その間のイトにリーダーを通し、手をくるくる上下に翻しながら編みこんでいく。詳しくは動画を見るなどして覚えてほしい。
これが0.2~0.4号という極細PEラインとなると、もう本当に信じられないくらい失敗する。自分が嫌になるレベル。そして結束強度もそんなに出せない。このノットに熟練した、エキスパート向けのノットだ。私はライトゲームで使うことは、ほとんどない。ただし、青物などを狙うときにはマストなノットなので、ジグを投げるような釣りをする方は習得しておかねばならない。
ちなみに、ライトラインでは、FGノットにおける最後の工程の、「PEライン同士の締め込み」は絶対にやってはいけない。PEラインの首が絞まってしまい強度が落ち、手で軽く引っ張るだけで切れてしまう。
タイムアタック対決
3.5ノット対FGノット。PEライン0.4号、リーダー8lbで検証してみた。
結果、3.5ノット13秒。
FGノット3分6秒。
ちなみに条件としては、室内でまったくの無風。一番やりやすい状態である。それでも3分かかってしまうFGノット。
私の腕が甘いのもあるだろうが、根掛かりしてしまうとほとんどリグは回収できない情けなさ。リーダーも切れて戻ってくる。溜息しか出ない。