ヒレに鋭い毒の棘があり、身には強い臭いがあって嫌われがちな、陸っぱり釣りの定番ゲスト魚と言えば「アイゴ」です。でも、正しい手順を踏めば美味しく食べられる食材でもあるのです。今回は、アイゴの下処理方法について解説します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)
ヒレの棘が危ないアイゴ
磯や堤防からフカセ釣りやダンゴ釣りをしていると、様々なゲスト魚がヒットしてきますが、その中でも嫌われ者として有名な魚が「アイゴ」です。
引きがとても強いので、スリリングなやり取りを楽しめる一方、ヒレの棘には毒があるので、気をつけて扱わないと、酷い目に遭ってしまう危険もあります。刺された箇所は激しく痛むので、もし刺されてしまったら釣りどころではありません。
臭みが強いことも嫌われる一因
アイゴが厄介者扱いされる理由はもう一つあります。アイゴは一般的に臭みが強い魚としても知られており、雑食性で何でも食べることが原因とも言われています。
内臓は特に強烈なニオイで、処理方法や個体にもよりますが、身が臭くて食べられないことも…。ヒレに毒があって臭いとなれば、釣り人から嫌われてしまうのもうなずけますが、実は釣り上げた後の下処理方法によっては美味しく食べられる魚です。特に脂が乗ったアイゴは絶品です。美味しく食べるために必要な下処理方法を紹介していきましょう
釣り場での下処理
まずは釣り場での下処理についてです。
ヒレを切る
アイゴを釣り上げたら、先にヒレを切っておくことが重要です。アイゴのヒレは軍手やゴム手袋を貫通するほどなので、うっかり刺されないよう慎重に作業しましょう。
タオルなどを使ってアイゴの目を隠すと、大人しくなって暴れにくくなります。頭付近をしっかり固定したらキッチンばさみなどで慎重にヒレを切っていきます。
背びれ、腹びれ、臀びれに毒があるので全て取り除いてしまいましょう。アイゴの毒は死んでも残る性質があるので、切り取った後のヒレは絶対放置しないようにしましょう。
血抜きをする
ヒレを切ったら、エラをナイフやハサミで断ち切って血抜きをします。バケツに水を汲んでアイゴの頭から入れておき血が抜けるのを待ちます。
内臓とエラを取る
しっかり血が抜けたら内臓とエラを処理します。臭みの原因となる内臓とエラを処理しないと、強烈なニオイが身に移ってしまうことがあります。
ナイフなどで肛門から刃を入れ、傷つけないよう慎重にエラと内臓を取り出します。白子や卵は煮付けると美味しいので切り離して持ち帰るのもオススメです。
保冷して持ち帰る
取り出したらしっかり洗ってビニール袋などで包んでからクーラーボックスで冷却します。氷や保冷剤に直接魚が触れてしまうと、氷焼けを起こすことがあるので注意しましょう。