2019年秋以降、大阪湾のライトゲームは好調だった。暖冬で、例年よりも水温が高かったおかげか。もう少し早く始めておけば……と少し悔やまれるシーズンを振り返ってみた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
大阪湾メバリング釣果傾向
私は基本的にアジが釣れる限りはアジを狙うので、メバリングに本腰を入れたのは2~4月、シーズン半ばから終盤までの釣果となる。メインフィールドである大阪南港を中心に、西は須磨~垂水、南は泉南市までのエリアではあったが、それでも相当、数も型も釣れた。
今シーズンのメバリングは須磨、垂水以外の場所で25cm超えを出すことができた。大阪南港では、自己記録である29cmが連発した。ただ、今年も惜しくも尺には届かなかった。しかし、多い日には10尾近く尺近いサイズが出て、ぎりぎり30cmに届かない理由を、釣法や腕の甘さに帰さず、もう少し冷静に分析してみるべきかもしれない。
私が考えたのは、各フィールドの水色(すいしょく)、水質と、釣り人の動向が、釣れてくるメバルのサイズに影響するのではないか、ということだ。
大阪南港で29cmがリミットのワケ
尺前の良型メバルは、必ず、大阪南港の特定の場所で出ている。この理由は、おそらく、水質があまり良くないイメージのエリアだから、持ち帰って調理することは避け、釣り人が魚をリリースするからだろう。
メバルは1年に3cm程度しか成長しないらしい。惜しくも尺に届かない魚はリリースしようという気になる。私自身そうだ。けれど、これが尺超えならどうだろう。「メモリアル・フィッシュ」として、湾奥居付きの独特の臭いが多少あったとしても、記念に持ち帰りたくなる。
そういった理由から、29cmという、メバリングを楽しむ人にとっては、なんとも歯がゆいリミットがあるのではなかろうか。
須磨以西は20cmが合格サイズ
須磨以西の釣り場でのメバルのサイズは交通アクセスと直結する。電車釣行が可能でアクセスの良い須磨、垂水といったフィールドは、ポイントにも富み、足場も良く、常に釣り人で賑う。
ちょうど須磨辺りから潮が入れかわって、見るからに水質も良い。そのため、おいしく食べられる20cm以上は持ち帰られて少ない。私は個人的に、垂水のメバルが一番好きだ。最大の理由は、体色が美しいことだ。波止の際で日没間際の時合いに出る「金赤メバル」は、夕陽に映えてほれぼれする。これも釣りの趣だろう。
泉南エリアは25cm級メイン
泉南の海は透き通っている。水中がくっきりと見え、潮溜まりの小世界に生きるカニや小さな魚の姿を覗き込むと、子どもの頃、釣りや生物採集に惹かれるきっかけになった、自分の海の原体験がよみがえる。
地形にも富み、釣れる魚も豊富だ。ただ、距離に屈する。大阪近郊の住民にとって、阪南、泉南といったフィールドは、近いようでなかなか遠い。高速の出口から、ほとんどのポイントまで40分くらいは走るというイメージだ。アクセスが良いとは言えない。
そのため、釣り場は無数にあるにもかかわらず、釣り人は多くない。マイポイントではアジが年中抜群なので、私はわざわざここまでくると終夜アジングをするが、そのおまけで、というには十分すぎるほどのサイズ(25cm程度)のメバルが必ず1尾は釣れる。
しかし、これもやはり「メモリアル・フィッシュはお持ち帰りされる」道理でか、尺を出すのはなかなか難しそうだ。